先日、WebマーケティングのSEO戦略|ユーザー価値を高める技術とコンテンツやWebマーケティングにSEOが必要な理由の記事でお伝えしたように、WebマーケティングにおいてSEOはとても重要です。
でも、SEOとWebマーケティング、この2つはそれぞれに大きく関連してはいますが、実は役割が違っています。
WebマーケティングとSEOについて
まずは、それぞれがどういうものなのか見てみましょう。
Webマーケティングとは
Webマーケティングは、インターネットやデジタル技術を使ったマーケティング活動全般のことを言います。
簡単に言えば、インターネットを活用して商品やサービスの認知を広げ、お客様との関係を築き、最終的には購入やお問い合わせにつなげるための総合的な取り組みです。
オンライン上での顧客とのあらゆる接点を最適化し、事業を成長させる活動です。
- Web広告(Google広告、SNS広告など)
- SNSマーケティング
- コンテンツマーケティング
- メールマーケティング
- プレスリリース配信
- オウンドメディア運営
- SEO対策
- 営業活動との連携
こういった手法を組み合わせて使って、見込み客を集めて、お問い合わせや購入につなげ、さらにリピーターになってもらうまでの一連の流れを、インターネット上で行うのがWebマーケティングです。
SEOとは
SEO(Search Engine Optimization) は、日本語で「検索エンジン最適化」という意味です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自社のWebサイトを上位表示させるための取り組みのことを言います。検索エンジンがホームページを評価する傾向を理解し、技術面での仕様や各ページのコンテンツを改善して、自然検索での表示順位を上げて、質の高いアクセスを増やしていくことを目指します。
お店で言えば「多くの人が行き交う大通り沿いに、目立つ看板を出す」ような取り組みのような感じです。
SEOは大きく分けて2つの側面があります。
1. 技術的SEO
ページの表示速度を速くしたり、スマホで見やすくしたり、常時SSLの設定を行ったり、Core Web Vitalsという指標に対応したり、タイトルもあれもそれもと、Webサイトの技術面を改善する取り組みです。
2. コンテンツSEO
ユーザーが知りたい情報やわかりやすく役立つ情報を提供するために、質の高いコンテンツを作成して、見やすくわかりやすくページに掲載していく取り組みです。
WebマーケティングとSEOの関係性
「WebマーケティングとSEOってどう違うの?」と聞かれたら、簡単に言うと「WebマーケティングはSEOを含む大きな活動」ということになります。
Webマーケティングの中の一つがSEO
Webマーケティングは、前述の通り、インターネットを使った集客から顧客化までの活動全体を指します。
その中の一つの手法として、SEOがあります。
たとえば、お店を運営するためにはいろんな活動が必要です。
商品を仕入れる、陳列する、接客する、広告を出す、お店の掃除をする…など。
こういった行動がお店の「マーケティング活動」だとすると、どうれかひとつの行動(たとえば「接客する」)がSEOにあたるイメージです。
SEOはWebマーケティングの基礎
ただ、SEOは単なるひとつの手法ではなく、他のWebマーケティング施策の効果を高める基盤としての役割も持っています。WebマーケティングにSEOが必要な理由でも説明しましたが、技術的なSEOでWebサイトの使いやすさを向上させることは、Web広告やSNSマーケティングなどを行った結果でアクセスしてくるユーザーの満足度を高めることができます。
スムーズにページが表示されるであったり、ページに掲載されている内容が詳しくてわかりやすかったり、直感的な操作で関連情報にたどり着けたり、お問い合わせまでスムーズに移動できたりということです。
WebマーケティングとSEOの具体的な違い
WebマーケティングとSEOのより具体的な違いについて見てみます。
1. 対象範囲の違い
Webマーケティングは、集客から顧客化、リピート促進まで幅広い範囲をカバーします。
Web広告、SNS、メール、コンテンツなど様々な手法が含まれます。
一方、SEOは主に検索エンジンからの自然検索流入を増やすための施策に特化しています。技術面の改善とコンテンツの質向上を通じて、主に集客の段階に関わっています。
Webマーケティングは買い物全体のプロセスだとすると、SEOはお店に人を集める入口の役割にあたるのかなと思います。
2. 即効性と持続性の違い
Webマーケティングの中には、Web広告など予算をかければすぐに効果が出る施策もあります。短期的なキャンペーンなどでも、いくつかの手法を組み合わせて効果を出すことができます。
SEOは効果が出るまでに時間がかかることが多いです。
半年から1年程度はかかってくるのが一般的です。
ただ、一度効果が出ると、継続的な取り組みによって長期間その効果が持続することが期待できます。
たとえば、Web広告は水道の蛇口のようなもので、お金をかければすぐに水(アクセス)が出ますが、お金を止めれば水も止まります。
これに対してSEOは井戸を掘るようなもので、最初は大変ですが、一度掘れば長期間水を利用できるといったイメージです。
3. コスト構造の違い
Webマーケティングの中には、Web広告のように継続的にコストがかかる施策も多くあります。
予算に応じて柔軟に規模を変えられますが、効果を出し続けるには費用をかけ続ける必要があります。
一方、SEOは初期投資と継続的な改善コストが中心です。
一度、集客の流れができあがれば、低コストでその状況を維持することができ、広告費のような変動コストが少ないというメリットがあります。
中小企業のWeb集客の自走で実現できる8つのメリットでも書いていますが、自社でSEOに取り組むことで、外部に依存しない持続的な集客体制を作ることができます。
SEOがWebマーケティングの基本である理由
SEOがWebマーケティングの基本として重要な理由を見ていきます。
1. 継続的な集客力
SEOによって検索エンジンからの自然な流入を増やすことで、広告費に頼らない持続的な集客ができるようになります。
技術的な改善と、ユーザーが求める質の高いコンテンツを積み重ねていくことで、長期的な集客力を確保できるようになります。
例えば、一度上位表示されたブログ記事は、何ヶ月も安定してアクセスを集め続けることがあります。
これはWeb広告のように費用をかけ続ける必要がなく、一度の手間で長期的な集客が手に入れられるということになります。
2. ユーザー体験の向上
今のSEOは、技術的な改善を通じてWebサイトの使いやすさを向上させることも大切です。
ページの表示速度を速くしたり、スマホで見やすく使いやすくしたりすることは、ユーザーのストレスを減らして、満足度を高めることができます。
そして、問い合わせや購入などの向上にもつながります。
どんな集客方法でホームページにアクセスして来ても、使い勝手が良ければユーザーの満足度は高まります。
3. マーケティング施策全体の効率化
SEOによって最適化されたWebサイトは、広告やSNSからのアクセス先としても、使いやすさ、わかりやすさが充実されているので、高い効果が見込めるようになります。さらに、SNSでの情報拡散もされやすくなります。
検索エンジンに評価されるポイントは、実は人にとっても使いやすい、わかりやすいという感じられる価値のある要素なのです。
SEOを意識して改善することは、あらゆるマーケティング施策の効果を高めることにつながります。
集客するために重要なホームページ最適化
Webマーケティングの様々な集客方法を試してもなかなか効果が出ない…そんな悩みを抱える中小企業は少なくありません。
その原因の多くは、WebマーケティングにSEOが必要な理由にも書いている通り「集客の着地点となるホームページが最適化されていない」ことにあります。
どんな集客方法でも、結局はホームページに人を呼び込むことが目的です。
せっかくユーザーがアクセスしてきても、ホームページが使いにくかったり、必要な情報がなかったりすれば、すぐに離脱していってしまいます。
集客手法別によくある問題と対策
Web広告での集客
Web広告で多くの中小企業で起こっているケースは、広告で魅力的に紹介したことがホームページに詳しく書かれていなかったり、ページの表示が遅くユーザーをイライラさせてしまったりすることです。
これを回避するにはあ、広告内容とホームページの内容を一致させることが大切です。
例えば「初回3,000円オフ」という広告を出すなら、ホームページでもその特典についてわかりやすく説明する必要があります。また、広告からの流入を想定した専用のランディングページを用意して、そのランディングページの表示速度を改善してユーザーの使いやすさを良くしておくことも効果的です。
SNSマーケティングでの集客
SNSマーケティングでよく見られるのは、紹介した商品やサービスがホームページで見つけにくかったり、SNSでの訴求内容がホームページで十分に説明されていなかったりすることがあります。
その場合、SNSとホームページの内容をきちんと連携させておくことが重要です。
InstagramやFacebookで商品の魅力的な写真を投稿したら、その商品のページにすぐにアクセスできるように配慮しておき、ユーザーの導線を明確にして、ユーザーへのメッセージに一貫性をもたすことが大切です。
プレスリリースやメディア掲載での集客
プレスリリースやメディア掲載を活用する際に多いのは、リリースで紹介した内容がホームページに掲載されていない、あるいはわかりやすい説明が不足していることがあげられます。
これは、プレスリリースで配信した内容をさらに詳しく説明してするページを自社サイトにも用意するようにしましょう。
メディアで取り上げられると普段より幅広い層のユーザーがホームページを見に来るので、初めてホームページにアクセスしてきたユーザーにもわかりやすいようにしておくことが大切です。
オフライン営業との連携
オフライン営業との連携では、営業で話した内容とホームページの情報に不一致があったり、「詳細はホームページで」と案内してもその情報が見つけにくかったりすることが考えられます。
これに対処するには、営業担当者としっかり連携し、説明内容とホームページの情報をきちんと一致させておくことが重要です。
営業でよく案内される情報が掲載されているページへのアクセスをわかりやすくしておき、商談後のフォローアップも充実させておきましょう。営業担当者と連携し、お客様が知りたい情報をホームページでもしっかりと提供できる体制を整えることが大切です。
WebマーケティングとSEOの効果的な組み合わせ方
WebマーケティングとSEOを効果的に組み合わせるためのポイントについて見ていきましょう。
1. SEOを基盤としたWebマーケティング戦略の構築
まずはホームページの技術的施策とコンテンツの質を高めることが大切です。
ホームページの表示速度を速くしたり、スマホで見やすくしたりして、技術的な基本をしっかり固めましょう。また、ユーザーニーズに応える質の高いコンテンツでそれぞれのページを充実させることも重要です。
その上で、目的に応じて広告やSNSなどの集客施策を展開すると、より効果的です。
特にWebマーケティングにSEOが必要な理由で説明したように、「集客方法を変えても成果が出ない」という場合は、まずホームページ自体の改善から始めることをおすすめします。
2. Webマーケティングの様々な施策の特性を活かす
それぞれの集客施策の特性を理解し、うまく組み合わせて活用することが重要です。
例えば、SEOは長期的で安定した集客基盤の構築として、Web広告は即効性のある集客やキャンペーン訴求に、SNSはブランド認知度向上やユーザーとのコミュニケーションとして、メールは既存顧客とのエンゲージメント維持に活用するといった役割分担が効果的です。
すべての施策に同じように力を入れるのではなく、自社の状況や目標に合わせて、どの施策に重点を置くかを決めることが大切です。流行りやまわりに振り回されないようにしてください。
3. データに基づく継続的な改善
それぞれの集客施策の効果の測定と分析を行って、継続的に改善していくようにしましょう。
どの施策がどれくらいの効果を生んでいるのか、どのような相乗効果があるのかを検証して、より効果的な組み合わせを調整して効率化していくことが重要です。Webマーケティングの本質はユーザー理解からでも書いたように、ユーザーの反応に基づく改善と最適化が大切です。
SEOはWebマーケティングの成功を支える基盤
WebマーケティングとSEOは、「全体と部分」の関係にあると同時に、SEOは他のWebマーケティング施策の効果を高める基礎としての役割も持っています。
Web戦略を効果的に行っていくためには、まずSEOによってホームページの基礎を固めて、ユーザーニーズに応える質の高いコンテンツを提供する。その上で、Web広告やSNS、メールマーケティングなど、目的に応じた施策を組み合わせると、効率的に大きな成果を見込めるようになります。
これまで様々な集客方法を試してもうまくいかなかった方は、まず自社のホームページを見直してみてください。
使いやすさは十分か、必要な情報はきちんと用意できているか。基本的なところから改善していくことで、きっと良い変化が見えてくるはずです。
集客方法の選び方や、ホームページの改善方法について、詳しく知りたい方は、当社ブログの「WebマーケティングのSEO戦略|ユーザー価値を高める技術とコンテンツ」もあわせてご覧ください。
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