「せっかくWebサイトを作ったのに検索結果で上位表示されない」
「Google広告を出しているのにアクセス数が伸びない」
「問い合わせフォームがほとんど使われていない」
こうした悩みを抱えている企業は非常に多いのではないでしょうか。
前回の記事「WebマーケティングにおけるSEOの内製化」では内製化のメリットについて解説しましたが、今回は、Webサイトが集客できていない根本的な原因を特定するために自分でチェックできる10箇所について詳しく説明します。
実は、Webサイトが検索エンジンで評価されず、集客につながらない原因の多くは、「最適化できていないサイト」であることが考えられます。外見が美しくデザインが優れていても、内部構造や技術的な最適化が不十分なサイトは、検索エンジンから正当に評価されず、結果として検索結果での露出機会が減ってしまいます。
当社ブログで「Webサイトが集客できない理由 – 10の自己診断法」をアップしましたので、セルフチェックできるポイントやその方法について深掘りして見ていきます。
SEOを強化するWebサイト診断10のチェックポイント
自社のWebサイトをSEO視点で自己診断するための10の重要なチェックポイントについて、それぞれ詳しく解説します。
これらのポイントを確認することで、あなたのサイトが検索エンジンに正しく評価されているかどうかを判断できます。
- 常時SSL対応しているか
- ページの表示速度は十分に速いか
- スマートフォンでの表示は最適化されているか
- ページタイトルは適切に設定されているか
- 画像にalt属性(代替テキスト)が設定されているか
- 見出し構造(h1〜h6)は適切に使われているか
- 内部リンクは適切に設定されているか
- コンテンツは定期的に更新されているか
- 問い合わせフォームは使いやすいか
- アクセス解析ツールは導入されているか
これらのチェックポイントを一つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 常時SSL対応しているか
チェックポイントの有用性と解説
常時SSL(Secure Sockets Layer)は、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化する技術です。
現在ではセキュリティ対策というよりはWebサイトに必要な仕様の基本中の基本となっており、Googleは常時SSLに対応しているWebサイトを検索結果で優遇する方針を明確にしています。常時SSL対応のサイトであれば、URLが「https://」で始まり、ブラウザのアドレスバーには鍵マークが表示されます。逆に「http://」のままだと、「保護されていない通信」「安全ではありません」といった警告が表示されます。
重要なのは「常時」SSLであることです。
すべてのページが確実にhttpsで表示されることが必要で、一部のページだけが対応していたり、httpからhttpsへの転送設定が不完全だったりすると、十分な効果が得られません。
改善すると見込める効果
- サイトの信頼性向上
- 個人情報や決済情報などの安全な送受信
- ブラウザの警告表示がなくなることによる安心感
- 検索ランキングでの優遇
改善方法
- SSL証明書の導入:レンタルサーバーが提供する無料SSL(Let’s Encrypt等)または有料SSL証明書を取得し、サイトに導入します。
- 常時SSL化の設定:Webサイト全体がhttpsでアクセスされるよう、.htaccessファイルでリダイレクト設定を行います。
記述例:
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]
- 混在コンテンツの修正:サイト内の画像やスクリプトなどが「http://」で呼び出されていないか確認し、すべて「https://」に変更します。
常時SSL対応は、現在のWebサイトにとって必須の要件となっています。セキュリティ面での安全性だけでなく、SEOの評価にも直結する重要な要素です。まだ対応していない場合は、最優先で取り組むべき箇所です。
2. ページの表示速度は十分に速いか
チェックポイントの有用性と解説
ページの表示速度は、ユーザー体験と検索エンジンの評価の両方に大きく影響します。
Googleは公式に、ページ速度をランキング要素の一つとして採用していることを認めています。特にスマートフォンでは、表示が遅いサイトは多くのユーザーにストレスを与えてしまい、ページが表示される前に離脱されてしまいます。
ページ表示速度の最適化は、コアウェブバイタル(Core Web Vitals)と呼ばれるGoogleの重要指標の一部でもあります。
具体的には、LCP(Largest Contentful Paint:最大のコンテンツが表示されるまでの時間)、CLS(Cumulative Layout Shift:ページ読み込み中のレイアウトの安定性)、INP(Interaction to Next Paint:ユーザー操作に対する応答速度)の3つの指標が重要です。
改善すると見込める効果
- ストレスのない快適なブラウジング体験
- 離脱率の低下とページ滞在時間の向上
- よりスムーズなサイト内の回遊
- 特にスマートフォンユーザーの満足度向上
- コアウェブバイタルスコアの向上による検索順位の向上
- モバイル検索での評価向上
- 良質なユーザー体験の提供サイトとしての評価
改善方法
- 画像の最適化:
- 適切なサイズとフォーマットへの変換(WebP形式の活用)
- 画像の圧縮(TinyPNGなどのツールを使用)
- 遅延読み込み(lazy loading)の実装
- コードの最適化
- 不要なJavaScriptとCSSの削除
- JavaScriptの遅延読み込みまたは非同期読み込み
- CSSの最適化と圧縮
- HTTPリクエスト数の削減
- キャッシュの活用
- ブラウザキャッシュの設定
- サーバーサイドキャッシュの導入
- CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の使用
- サーバーレスポンス時間の改善
- 高性能なホスティングサービスへの移行
- データベースの最適化
- PHPバージョンのアップグレード
- プラグインの最適化 (WordPressの場合)
- 不要なプラグインの削除
- 重いプラグインの代替品を探す
- キャッシュプラグインの導入
ページ表示速度の改善は、ユーザーと検索エンジンの両方にとって重要な要素です。
GoogleのPageSpeed Insightsなどのツールを使って定期的に測定し、継続的な改善を行うことで、サイトの使いやすさと検索順位の向上が期待できます。スコアが80点以上を目指して改善に取り組みましょう。
3. スマートフォンでの表示は最適化されているか
チェックポイントの有用性と解説
現在、Webサイトへのアクセスの60〜70%以上はスマートフォンからと言われています。業種・業界によってはもっと多いでしょう。
ユーザーの多くがスマートフォンからサイトを訪れるようになり、スマートフォン表示の最適化は必須条件となっています。Googleもスマートフォンでの使いやすさを重視しています。
モバイル最適化とは単にレスポンシブデザインを導入するだけではなく、スマートフォンでの表示・操作性・読みやすさなど、スマートフォンユーザーの体験全体を考慮することが重要です。タップターゲット(ボタンやリンク)のサイズが適切か、文字サイズは読みやすいか、横スクロールは発生していないかといった点も含まれます。
改善すると見込める効果
- ストレスのないモバイルブラウジング
- 情報へのアクセスのしやすさ向上
- フォーム入力などの操作性向上
- ページ滞在時間の延長とコンバージョン率の向上
- モバイル検索結果での順位向上
- コアウェブバイタルスコアへの好影響
改善方法
- レスポンシブデザインの実装
- ビューポートメタタグの設定
- メディアクエリを使った画面サイズ別のスタイル設定
- フレキシブルグリッドレイアウトの採用
- タッチフレンドリーな設計
- タップターゲット(ボタン・リンク)を最低44×44ピクセル以上に設定
- 操作要素間の十分な間隔確保
- スワイプやタッチジェスチャーに対応したUI設計
- コンテンツの最適化
- スマートフォンで読みやすいフォントサイズ(最低16px以上)
- 行間や余白の適切な設定
- 長いコンテンツの分割や折りたたみメニューの活用
- 横スクロールの排除
- スマートフォンでの機能性確保
- タップでの電話発信機能の実装
- マップへのリンクや住所タップでのナビゲーション起動
- フォーム入力の簡略化(オートコンプリートの活用など)
スマートフォン表示の最適化は、現在のSEOにおいて最も基本的かつ重要な要素の一つです。
実際にご自身のスマートフォンでWebサイトを操作してみて、ストレスなく閲覧・操作できるかを定期的にチェックすることが大切です。
4. ページタイトルは適切に設定されているか
チェックポイントの有用性と解説
ページタイトル(title要素)は、SEOにおける最も重要な要素の一つです。
検索結果ページでクリック可能な青色のリンクとして表示され、ユーザーがサイトを訪問するかどうかを決める大きな要因となります。また、検索エンジンはページタイトルを重要視し、ページの内容を理解する手がかりとしています。
適切なページタイトルとは、そのページの内容を正確に表現し、かつユーザーの興味を引くものである必要があります。また、検索されるキーワードを含み、企業名(サービス名/商品名)を含み、適切な長さ(30文字程度)に収めることが重要です。各ページのタイトルは、サイト全体でユニークである必要があります。
改善すると見込める効果
- 検索結果で自分が求めている情報かどうかを判断しやすくなる
- クリック率の向上(CTR向上)
- ブックマーク時の識別性向上
- ページの主題を正確に理解
- 関連性の高いキーワードでの上位表示機会の増加
- 検索意図とのマッチング精度向上
改善方法
- ページごとの最適なタイトル設計
- 重要なキーワードを前半に配置
- フォーマットの一貫性を保つ(例:「主要キーワード | 補足説明 | サイト名」)
- 不要な重複を避ける
- 魅力的で明確な表現を心がける
- キーワード活用のポイント
- 主要なターゲットキーワードを含める
- 自然な文脈でキーワードを使用する
- キーワードの詰め込みは避ける
- 長尾キーワード(複合キーワード)の活用
- タイトルの最適な長さと構造
- Google検索結果で切れないよう、30文字程度に収める
- 重要な情報を前半に配置
- パイプ(|)やハイフン(-)で区切り、読みやすさを向上
- 数字や特殊文字を効果的に使用する(例:「10の方法」「2023年最新版」など)
- タイトルの効果測定と改善
- Google Search Consoleでのクリック率(CTR)の確認
- 高パフォーマンスタイトルのパターン分析
- A/Bテストによる最適化
- 定期的な見直しと更新
ページタイトルは比較的簡単に修正できる割に効果が大きいSEO要素です。
各ページの目的と内容に合わせて最適化することで、検索結果での視認性向上と順位アップの両方が期待できます。定期的にGoogle Search Consoleでパフォーマンスを確認し、継続的な改善を行いましょう。
5. 画像にalt属性(代替テキスト)が設定されているか
チェックポイントの有用性と解説
alt属性(代替テキスト)は、画像が表示できない場合や視覚障害のあるユーザーがスクリーンリーダーを使用する場合に、画像の内容を伝えるためのテキスト情報です。SEOの観点からも、Googleは画像の内容を理解するためにalt属性を参照しています。画像検索での表示や、関連するテキストコンテンツのないページでの文脈理解にも役立ちます。
適切なalt属性とは、画像の内容や機能を簡潔かつ正確に説明するもので、できればターゲットキーワードも自然な形で含めることが理想的です。装飾的な画像には空のalt属性(alt=””)を設定し、情報を伝える重要な画像には具体的な説明を記述するという使い分けも必要です。
改善すると見込める効果
- 視覚障害者や低速回線ユーザーへのアクセシビリティ向上
- 画像が読み込めない環境でも内容が理解できる
- 全体的なユーザー体験の向上
- 画像の内容理解によるインデックス精度の向上
- 画像検索での露出機会の増加
- ページ全体のテーマと関連性の理解促進
改善方法
- 効果的なalt属性の記述
- 画像が伝える情報を簡潔に説明
- 自然な形でキーワードを含める
- 冗長な表現や「画像」「写真」といった単語は不要
- 50〜80文字程度に収める
<img src="example.jpg" alt="SEO対策の効果を示すグラフ(2023年1月〜6月)">
- 画像タイプ別の適切な設定
- 商品画像:製品名、特徴、モデル番号などを含める
- 図表・グラフ:示されているデータや傾向を説明
- 人物写真:人物名や状況の説明
- 装飾的な画像:空のalt属性を設定(alt=””)
- 画像ファイル名の最適化
- alt属性と合わせて画像ファイル名も最適化
- キーワードを含む分かりやすい名前(例:seo-improvement-graph-2025.jpg)
- ハイフンで単語を区切る
- 小文字のみを使用
- 画像の構造化データの活用
- 画像の構造化データを実装してさらに情報を追加
- 画像キャプションやクレジット情報の明示
- 製品画像の場合は商品情報との紐付け
alt属性の設定は、アクセシビリティとSEOの両方を同時に改善できる効率的な対策です。
すべての画像に対して適切なalt属性を設定し、定期的にチェックすることで、より多くのユーザーにアクセスしやすいサイトとなり、検索エンジンからの評価向上も見込めるようになります。
6. 見出し構造(h1〜h6)は適切に使われているか
チェックポイントの有用性と解説
HTML文書における見出し構造(h1〜h6タグ)は、ページの論理的な構造とコンテンツの階層関係を示す重要な要素です。
適切な見出し構造は、ユーザーがコンテンツを理解しやすくするだけでなく、検索エンジンがページの内容やその関連性を把握するのにも役立ちます。
見出し構造の基本ルールとして、h1タグはページの主題を示す最重要の見出しとして1ページに1つのみ使用し、h2、h3、h4…と階層的に使うべきです。見た目を優先した作りのWebサイトでよく見られるのが論理的な階層構造を持たない見出し(例:h1からh3に飛ぶ、複数のh1を使うなど)の利用方法です。この方法はスクリーンリーダーを使用するユーザーが困りますし、検索エンジンもページの内容を正しく理解できなくなる可能性があるため、絶対に避けるべきです。
改善すると見込める効果
- コンテンツの構造が視覚的に理解しやすくなる
- 目的の情報へ素早くアクセスできる
- スキャンリーディングの効率向上
- スクリーンリーダーでの閲覧時のナビゲーションが容易になる
- ページの主題と内容の階層関係の理解促進
- 関連キーワードの重要度の判断材料に
改善方法
- 適切な見出し階層の設計
- h1はページのメインタイトルとして1つだけ使用
- h2は主要セクションの見出しとして使用
- h3〜h6は階層に従って段階的に使用
- 階層をスキップしない(h2の後にh4を使用しないなど)
<h1>Webサイトの健康診断10のポイント</h1>
<h2>1. 常時SSL対応について</h2>
<h3>SSLの重要性</h3>
<h3>導入方法</h3>
<h2>2. ページ表示速度の最適化</h2>
<h3>速度が遅い原因</h3>
<h3>改善方法</h3>
- 見出しへのキーワード活用
- 重要なキーワードを見出しに含める
- 文脈にあった自然な表現を心がける
- ユーザーの検索意図に合った表現を使用
- 見出しの内容と本文の一貫性を保つ
- デザインと見出しタグの分離
- 見出しの見た目のためにCSSを使用し、適切なHTML構造を維持
- デザイン要素だけの理由でh1〜h6タグを使わない
- 視覚的な階層とHTML階層を一致させる
- 見出し構造のチェックと改善
- HeadingsMapなどのツールで見出し構造を視覚化
- 論理的な階層になっているか確認
- 長すぎる見出しは簡潔に修正
- 目次機能の追加による利便性向上
適切な見出し構造は、サイトの可読性と検索エンジン最適化の両方に影響します。
特にコンテンツの多いページほど、論理的な構造化が重要になります。ユーザーと検索エンジンの両方にとって理解しやすい情報設計を心がけましょう。
7. 内部リンクは適切に設定されているか
チェックポイントの有用性と解説
内部リンクとは、同じドメイン内の他のページへのリンクのことです。
適切な内部リンク構造は、ユーザーのサイト内回遊を促進し、滞在時間の延長やページビュー数の増加につながります。同時に検索エンジンにとっては、サイト内のコンテンツ間の関連性や階層構造を理解する重要な手がかりとなります。
また、重要なページに適切に内部リンクを設定することで、そのページの検索順位向上が期待できます。特に新しいコンテンツや検索エンジンからの評価をまだ十分に得ていないページへのリンクは重要です。
改善すると見込める効果
- 関連情報への容易なアクセス
- サイト内での回遊性の向上
- 滞在時間の延長
- 離脱率の低下
- 関連コンテンツの発見による満足度向上
- 検索エンジンのサイト構造 理解促進
- 重要ページの認識
- 関連コンテンツの関係性理解
- クロールの効率化
- リンクジュースの適切な分配による評価向上
改善方法
- 論理的な内部リンク構造の構築
- ホームページからカテゴリーページ、そして個別ページという階層構造
- 関連性の高いページ同士のクロスリンク
- サイトマップページの作成
- パンくずリストの実装
- アンカーテキスト(リンクテキスト)の最適化
- リンク先の内容を適切に表現する具体的な言葉を使用
- 単なる「詳細はこちら」「こちら」ではなく、キーワードを含む具体的な表現
- 自然な文脈の中でのリンク設置
- 複数ページから同じページにリンクする場合は、アンカーテキストに若干のバリエーションを持たせる
- 内部リンクの配置
- コンテンツの冒頭部分に重要なリンクを配置
- サイドバーやフッターにもカテゴリーリンクを設置
- 関連記事セクションの活用
- コンテンツ内の自然な文脈でのリンク挿入
- 内部リンク分析とメンテナンス
- リンク切れの定期的なチェックと修正
- 人気コンテンツからの内部リンク設定の見直し
- 古いコンテンツを新しいコンテンツにリンク
- 内部リンク構造の可視化と分析
適切な内部リンク構造は、ユーザビリティの向上と検索エンジン最適化の両面で大きなメリットをもたらします。
関連性の高いコンテンツ同士を適切につなぎ、ユーザーと検索エンジンの両方が理解しやすいサイト構造を目指しましょう。
8. コンテンツは定期的に更新されているか
チェックポイントの有用性と解説
Webサイトのコンテンツを定期的に更新することは、ユーザーに最新の情報を提供するだけでなく、検索エンジンに対してもサイトが「生きている」ことを示す重要なシグナルとなります。Googleは「鮮度」を重要視しており、特に時事的なトピックや最新情報が重要な業種・業界では、頻繁に更新されるサイトを優遇する傾向があります。
更新頻度は業種やサイトの性質によって最適な頻度が異なりますが、少なくとも3ヶ月以上まったく更新がないサイトは「放置されている」と判断される可能性があります。特に「お知らせ」や「ブログ」セクションが長期間更新されていないと、サイト全体の印象にも悪影響を与えます。
改善すると見込める効果
- サイト運営の信頼性向上
- リピーターの増加
- サイトへの再訪問動機の創出
- 新機能や新サービスへの認知度向上
- 検索エンジの評価向上
- クロール頻度の増加
- インデックス数の増加
- E-E-A-T評価の向上
- 検索クエリとの関連性の維持
改善方法
- コンテンツ更新計画の策定
- 業種や目的に合わせた最適な更新頻度の設定
- 年間、四半期、月間の更新計画を立てる
- 重要なイベントやシーズンに合わせたコンテンツ準備
- 担当者や役割分担の明確化
- 効果的な更新方法
- 既存コンテンツの拡充と最新情報の追加
- 古い情報や統計データの更新
- 新しい画像や図表の追加
- 最終更新日の明示
- 関連する最新記事へのリンク追加
- ブログやニュースセクションの活用
- 業界トレンドに関する記事
- 自社製品・サービスの新機能紹介
- お客様事例やケーススタディ
- よくある質問やトラブルシューティング
- 社内イベントやスタッフ紹介
- リソースを効率的に活用する方法
- 計画的なコンテンツリサイクル(古いコンテンツの再活用)
- エバーグリーンコンテンツ(時期を問わず価値のあるコンテンツ)の作成
- ユーザーからの質問や問い合わせを元にしたFAQの充実
- 外部専門家やゲストライターの活用
定期的なコンテンツ更新は、SEOとユーザー満足度の両方を向上させる効果的な施策です。
無理なく継続できる更新頻度と方法を見つけ、長期的な視点で取り組むことが重要です。特に、既存のコンテンツを定期的に見直し、情報の正確性と網羅性を高めていくことで、検索エンジンからの評価も徐々に高まっていきます。
9. 問い合わせフォームは使いやすいか
チェックポイントの有用性と解説
問い合わせフォームは、ユーザーがWebサイトから直接連絡を取る最も一般的な手段であり、コンバージョン(成果)につながる重要な接点です。使いやすいフォームは問い合わせの障壁を下げ、コンバージョン率の向上に直結します。逆に、使いにくいフォームは、興味を持ったユーザーでさえも離脱させてしまう原因となってしまいます。
SEOの直接的な要素ではありませんが、ユーザー体験(UX)の重要な一部として、間接的に検索エンジンの評価にも影響すると思われます。Googleはユーザー満足度を重視するため、使いやすさやアクセシビリティが高いサイトを評価する傾向にあります。
改善すると見込める効果
- 問い合わせのストレス軽減
- 入力ミスの減少
- 問い合わせ完了までの時間短縮
- スマートフォンでの入力しやすさ向上
- コンバージョン率の向上
- 直帰率・離脱率の低下
- サイト全体のユーザー体験向上による間接的なSEO効果
- 問い合わせ数の増加による売上・商談機会の増加
- 顧客データの正確性向上
改善方法
- フォームの設計と配置の最適化
- 問い合わせフォームへの導線を明確に
- 各ページからのアクセスしやすさ確保
- スクロールせずに見える位置への配置検討
- スマートフォンでの表示と操作性の最適化
- 入力項目の最適化
- 必須項目を最小限に抑える
- 任意項目と必須項目の明確な区別
- 論理的なフィールドの並び順
- 入力例やプレースホルダーテキストの活用
- フィールドの目的とデータ形式の明示
- 使いやすさの向上
- オートコンプリート機能の活用
- 入力フィールドのサイズ適正化
- エラーメッセージの具体化と表示位置の最適化
- 確認画面のシンプル化または省略
- 送信ボタンの視認性向上
- 信頼感の向上
- プライバシーポリシーへのリンク
- セキュリティ対策の明示
- 返信までの目安時間の表示
- 問い合わせ後のフローの説明
- 問い合わせ以外の連絡手段(電話番号など)の併記
- 対応と改善の継続
- フォーム経由の問い合わせへの迅速な返信
- 定期的なフォーム入力状況の分析
- 離脱率の高いフィールドの特定と改善
- A/Bテストによる継続的な最適化
問い合わせフォームの使いやすさは、Webサイトのコンバージョン率に直接影響する重要な要素です。
ユーザーの立場に立って、必要最小限の情報を簡単に入力できるよう設計することで、ビジネスチャンスを逃さない体制を整えましょう。特にスマートフォンでの操作性は、現在のWebサイトにとって非常に重要な要素となっています。
10. アクセス解析ツールは導入されているか
チェックポイントの有用性と解説
アクセス解析ツールは、Webサイトのパフォーマンスやユーザー行動を数値化して把握するための必須ツールです。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどのツールを活用することで、アクセス数、流入経路、人気ページ、滞在時間、直帰率など、様々なデータを収集・分析できます。
これらのデータは、SEOやコンテンツマーケティングの効果測定だけでなく、サイトの問題点発見や改善方針の決定にも役立ちます。「測定できないものは改善できない」という言葉の通り、データに基づいた分析と改善は、Webサイトの継続的な成長に不可欠です。
改善すると見込める効果
- ユーザーの行動パターンに基づくサイト改善
- コンテンツの質と関連性の向上
- ユーザーの痛点や離脱ポイントの特定と改善
- マーケティング投資対効果の向上
- ビジネス判断の根拠となるデータの獲得
- 検索キーワードの把握と最適化
- ランディングページの改善点の発見
- モバイルとデスクトップの利用比率の把握
- ページ速度などの技術的問題の検出
- 検索順位変動の原因分析
改善方法
- 基本的なアクセス解析ツールの導入
- Google Analytics 4(GA4)の設定
- Google Search Consoleの登録と連携
- Google タグマネージャーの導入(必要に応じて)
- サイトマップの登録
- 重要な指標の定期的なチェック
- セッション数、ユーザー数、ページビュー数の推移
- 直帰率と滞在時間
- 流入元(オーガニック、直接、参照元、ソーシャルなど)
- 検索キーワードとクリック率(CTR)
- コンバージョン率と目標達成数
- データに基づいた改善アクション
- 人気コンテンツの特定と類似コンテンツの強化
- 離脱率の高いページの改善
- コンバージョン率の低いフォームや導線の最適化
- 検索パフォーマンスの低いページのSEO強化
- モバイルとデスクトップでの表示パフォーマンス比較
- 定期的なレポーティングと分析のルーティン化
- 週次、月次、四半期ごとのレポート作成
- KPI(重要業績評価指標)の設定と追跡
- 前年同期との比較分析
- 競合サイトとのベンチマーク(可能な範囲で)
- PDCAサイクルに基づく継続的な改善
アクセス解析ツールの導入と活用は、Webサイトの現状を客観的に把握し、効果的な改善策を立てるための基本となります。
特にSEOの効果測定には不可欠であり、投資対効果(ROI)を最大化するためにも積極的に活用すべきです。データドリブンなアプローチで、継続的な改善サイクルを回していきましょう。
SEOをセルフチェックすることの重要性
Webサイトを診断する10個のセルフチェックポイントについて詳しく見てきましたが、なぜこれらのチェックを自社で行うことが重要なのでしょうか。SEO対策を外部に丸投げするのではなく、自社でセルフチェックすることについてみてみます。
自社の強みを活かしたSEO対策が可能になる
SEO対策を完全に外部に依頼すると、自社の製品やサービスの強み、顧客の特徴、業界の専門知識などが十分に活かされないことがあります。自社でセルフチェックを行うことで、ビジネスの本質を理解した上での最適化が可能になります。
例えば、お客様からよく聞かれる質問、営業現場での会話から得られる洞察、競合他社との明確な差別化ポイントなど、外部の担当者では気づきにくい情報を活用できます。こうした「生の声」は、キーワード選定やコンテンツ作成において非常に価値のある情報源です。
迅速な対応とコスト効率の向上
SEOの世界は常に変化しています。
Googleのアルゴリズムアップデート、市場トレンドの変化、競合他社の動きなど、様々な要因に素早く対応する必要があります。自社でセルフチェックの体制を整えておくことで、こうした変化に迅速に対応できるようになります。
外部に依頼する場合、依頼から実行までに時間がかかり、その間にもビジネスチャンスを逃す可能性があります。また、定期的なチェックや小さな修正のたびに外部に依頼すると、コストがかさんでしまいます。社内でできる部分は自社で対応することで、コスト効率も大幅に向上します。
継続的な改善サイクルの確立
SEOは一度やれば終わりではなく、継続的な改善が必要です。
自社でのセルフチェック体制を整えることで、「気づく→分析する→改善する→効果を測定する」というPDCAサイクルを効率的に回すことができます。
特に、アクセス解析データの継続的なモニタリングは、外部に完全に依存するのではなく、社内でも定期的にチェックする習慣をつけることが重要です。データから得られる洞察を日々の業務に活かすことで、サイト改善の効果も最大化できます。
SEOの基本的な知識の社内蓄積
SEOの基本を理解することは、Webマーケティング全般の知識向上にもつながります。
自社でセルフチェックを行うことで、SEOの基本や最新トレンドへの理解が深まり、その知識は他のデジタルマーケティング施策にも応用できます。
また、外部のSEO会社やコンサルタントと協業する際にも、基本的な知識があれば、より的確な依頼や評価が可能になります。「丸投げ」ではなく、「適切に協業する」ための基盤となるのです。
関連記事:Webマーケティングを内製化!集客の自走力を高める
総合的なWebマーケティング視点
SEOは単独で効果を発揮するものではなく、コンテンツマーケティング、SNS運用、Web広告など、他のWebマーケティング施策と連携することで最大の効果を発揮します。自社でSEOのセルフチェックを行うことで、こうした総合的なWebマーケティングの視点を獲得できます。
例えば、SEOで重要視されるキーワードは、Web広告のキーワード選定にも活用できますし、人気コンテンツの分析結果はSNS投稿の内容計画にも役立ちます。さまざまなチャネルを横断した戦略を立てるためにも、自社でのセルフチェック体制は重要です。
Webサイトを診断して集客力アップ
Webサイトを診断する10個のセルフチェックポイントを詳しく見てきましたが、これらは単なるテクニカルなチェックリストではなく、サイトの集客力を高めるための基盤となる重要なポイントです。
SEOは一朝一夕で効果が出るものではなく、基本的な土台をしっかりと固めた上で、継続的に改善していくことが重要です。技術的なSEO要素は、一度適切に設定すれば長期間にわたって効果を発揮します。
自社でセルフチェックを行いながらも、必要に応じて専門家のサポートを受けるというバランスの取れたアプローチが理想的です。基本的なチェックと改善は自社で行い、より専門的で複雑な課題については、プロの力を借りることで、効率的かつ効果的なSEO対策が実現できます。
当社のWebコンサルティングサービスでは、10ヶ月のWeb集客の実践を通じて社内担当者さんに集客の取り組みを実践してもらい、最終的には自社だけでWebマーケティングを推進できる「自走力」を身につけることを目指しています。詳しくは「Webサイトが集客できない理由 – 10の自己診断法」もご覧いただき、まずは自社サイトの現状をチェックしてみてはいかがでしょうか。
SEOは常に変化していますが、ユーザーにとって価値ある情報を提供するという基本はずっと変わりません。
ユーザーとGoogleの両方に評価されるサイトを目指して、改善を続けていきましょう。
Web集客に課題をお持ちの方、しっかりとWebサイトをチェックしたい方はいつでもお気軽にご連絡ください。
初回相談は無料です。
いつでもお気軽にご相談ください。