企業のイベント担当者は、年に数回しか会場を探しません。
だからこそ、その数少ない機会を確実に捉える必要があります。
イベント会場のWeb集客は、BtoBマーケティングの中でも特殊な位置づけです。
検討期間は短く、決裁者は複数、そして滞りなくスムーズに進められて、失敗は許されない。
今回は、このような特徴を持つイベント会場集客の効果的な方法を見てみます。
目次
イベント会場検索の3つの特徴
1. 担当者の経験値
イベント会場を探す担当者は、大きく2つのタイプに分かれます。
初心者タイプ(全体の約60%)
急にイベント担当になった社員、初めてセミナーを企画するマーケティング担当者など。
何から調べればいいかわからず、基本的な情報から必要とします。
ベテランタイプ(全体の約40%)
定期的にイベントを開催する企業の専任担当者。
求める条件が明確で、効率的に比較検討を行います。
この両極端なユーザーに対応する必要があるため、情報設計が複雑になります。
初心者には丁寧な説明を、ベテランには効率的な比較を。この両立がカスタマーバリアを生む原因にもなってきます。
2. 決定までの複雑さ
個人の飲食店予約と違い、イベント会場の予約には複数の関係者が関わります。
関係者の構造
- 実務担当者(情報収集・比較検討)
- 上司(予算承認)
- イベント参加者(アクセスや設備の要望)
- 経理部門(支払い条件の確認)
それぞれが重視するポイントが異なるため、すべての関係者を納得させる情報提供が必要です。
3. リスク回避思考の強さ
イベントの失敗は、その企業の信用に直結します。
なので、担当者のリスク回避思考はとても強くなってしまいます。
主な不安要素
- 設備トラブルへの対応力
- 当日のサポート体制
- キャンセル・変更の柔軟性
- 過去の実績と信頼性
これらの不安を解消する情報がなければ、いくら条件が良くても選ばれません。
検索キーワード分析と対策
用途別キーワードへの対応
イベント会場の検索キーワードは、用途によって大きく異なります。
セミナー・研修系
- 「セミナー会場 50名 東京」
- 「研修室 プロジェクター完備」
- 「ワークショップスペース レンタル」
展示会・商談会系
- 「展示会場 100坪」
- 「商談スペース 個室」
- 「ショールーム 貸切」
パーティー・懇親会系
- 「立食パーティー 会場」
- 「ケータリング対応 イベントスペース」
- 「懇親会 貸切 50名」
それぞれの用途に特化したランディングページを作成し、具体的な利用イメージを提示することが重要です。
ただし、このランディングページは、プロに依頼して作るデザイン重視のものではなく、コンテンツ型のランディングページで大丈夫です。なので、ブログなどのCMSで社内担当者さんが作るもので大丈夫です。
ロングテールキーワードの重要性
記念日にレストランを予約する記事でも触れましたが、イベント会場でもロングテールキーワードが効果的です。
「渋谷 セミナー会場 土曜日 50名 プロジェクター Wi-Fi」のような具体的な条件での検索に対応することで、コンバージョン率の高い集客が可能になります。
これまでの実績を元に、具体的なケースを想定して対応しましょう。
情報設計の最適化
会場情報の構造化
会場情報を探しやすく整理することが、予約率向上の鍵です。
必須情報の優先順位
- 収容人数(レイアウト別)
- 料金(時間帯別・曜日別)
- 設備一覧
- アクセス情報
- 空室状況
この順番で情報を配置し、スクロールせずに基本情報が把握できるようにします。
料金体系の明確化
家族旅行の予約する人を集客する記事でも説明した料金の透明性は、BtoBではさらに重要です。
効果的な料金提示方法
- 基本料金+オプション料金の明確な分離
- 利用時間別の料金表
- パッケージプランの提案
- 見積もりシミュレーター
稟議書作成に必要な情報を、すぐに入手できるようにすることで、検討期間を短縮できます。
信頼性を高めるコンテンツ戦略
導入事例の充実
BtoBでは、他社の成功事例が強力な説得材料になります。
事例コンテンツの要素
- 企業名(可能な範囲で)
- イベントの規模と内容
- 選定理由
- 実施結果
- 担当者の声
同業他社や同規模企業の事例があると、「うちでもできる」という確信につながります。
スタッフ紹介とサポート体制
美容室を予約する人を集客する記事でスタッフ情報の重要性を説明しましたが、イベント会場でも同様です。
掲載すべき情報
- イベント運営の経験年数
- 対応可能なイベントジャンル
- トラブル対応事例
- 当日のサポート内容
顔が見えることで、安心感が生まれます。
Googleマイビジネスの戦略的活用
BtoB特有の設定ポイント
イベント会場のGoogleマイビジネスは、通常の店舗とは異なる設定が必要です。
重要な設定項目
- 法人向けサービスの明記
- 見学可能時間
- 問い合わせ対応時間
- 設備写真の充実(20枚以上)
特に360度ビューは、事前に会場の雰囲気を伝えられる強力なツールになります。
きちんと設定して、稼働するようにしておきましょう。
モバイル対応の落とし穴
イベント会場のサイトは、意外にもモバイル対応が遅れています。
しかし、実際には下見や移動中の確認など、モバイルでのアクセスが全体の45%を占めています。
モバイルで重要な機能
- 会場の空き状況確認
- アクセスマップの表示
- 電話での問い合わせ
- 簡易見積もり
単にスマホで表示できているだけではなく、モバイルでの利用シーンを想定した使いやすい設計が必要です。
サイトスタイリング™で最適化
当社が提案している今までにないWeb集客メソッド「サイトスタイリング™」では、イベント会場の特性に合わせた最適化を実施します。
用途別ランディングページの作成、料金シミュレーターの実装、360度ビューの導入など、ユーザーのニーズにあわせてコンテンツを作り、自然な流れで要望に応えていけるように最適化していきます。
同時に、PC・スマホなど様々な機器でもストレスなくスムーズに目的のコンテンツを見られるように、パフォーマンスの改善にも着手します。
キレイだけど、いちいちLoading…が表示されるのは鬱陶しいですもんね。
競合との差別化戦略
立地だけではない価値の訴求
駅近という立地の優位性だけでは、差別化は困難です。
差別化ポイントの例
- 独自のイベント運営ノウハウ
- 充実したオプションサービス
- フレキシブルな対応力
- アフターフォローの充実
これらの「ソフト面」の価値を、具体的なエピソードと共に伝えることが重要です。
専門性の打ち出し
すべてのイベントに対応するのではなく、特定分野に特化することも有効です。
「IT企業のセミナーに強い」
「医療系学会の実績豊富」
「スタートアップイベント専門」
など、専門性を打ち出すことで、該当する企業からの信頼を獲得できます。
KPI設定と改善サイクル
測定すべき指標
トラフィック指標
- 用途別ページの流入数
- 検索キーワードの多様性
- 直帰率と滞在時間
エンゲージメント指標
- 資料ダウンロード数
- 見積もりシミュレーター利用率
- 問い合わせフォーム到達率
成果指標
- 問い合わせ数
- 見学予約数
- 成約率
- リピート率
これらを継続的に測定し、ボトルネックを特定して改善することで、着実に成果を向上させることができます。
今後のトレンドと対策
オンライン内覧の需要増加
コロナ以降、オンラインでの会場見学需要が増えています。VRツアーやライブ配信での内覧対応など、新しい顧客体験の提供が競争力になります。
ハイブリッドイベント対応
リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッドイベントが増加しています。配信設備や技術サポートなど、新しいニーズへの対応をアピールすることが重要です。
まとめ:BtoBならではの最適化を
イベント会場のWeb集客は、担当者の経験値の差、複雑な意思決定プロセス、強いリスク回避思考という特性を理解した上で、戦略を立てる必要があります。
初心者にもベテランにも使いやすい情報設計、信頼性を高めるコンテンツ、BtoB特有のニーズへの対応。これらを総合的に実施することで、確実に成果を上げることができます。
まずは自社サイトを、初めてのイベント担当者の視点で見直してみてください。必ず改善点が見つかるはずです。
詳しい診断や改善提案をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
初回相談は無料です。
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