今回は、観光・宿泊施設において最重要ターゲットとなる「家族旅行」の集客についてです。
年間の売上を大きく左右する家族客。
でも多くの施設が「ファミリープラン」を作るだけで終わっています。
本当に必要なのは、お客さん側の長期間にわたる検討プロセスを理解し、各段階で適切な情報を提供することです。
目次
家族旅行を検索する特殊性
家族旅行の検索は、他の旅行形態とは根本的に違います。
意思決定に関わる人数が多く、検討期間が長く、求められる情報の幅が広いからです。
旅行会社側のサイトで、カスタマーバリア(ユーザーが目的達成までに遭遇する障壁)が複雑に絡み合っていて、一つでも不安要素があると予約となりません。
検討期間の長さとタッチポイント
家族旅行の検討フェーズ
- 6ヶ月前:旅行先の候補選び
- 3ヶ月前:宿泊施設の比較検討
- 1ヶ月前:観光プランの詳細決定
- 2週間前:最終確認と準備
各フェーズで検索される内容が変わるため、それぞれに対応したコンテンツが必要です。早い段階では観光情報、後半では具体的な施設情報が必要です。
年齢別ペルソナとキーワード戦略
子供の年齢による検索キーワードの違い
乳幼児連れ(0-3歳)
- 「赤ちゃん 歓迎 ホテル」
- 「離乳食 対応 旅館」
- 「ベビーベッド 無料」
- 「授乳室 完備」
小学生連れ(6-12歳)
- 「プール付き ホテル 子供」
- 「体験型 観光 家族」
- 「キッズルーム ホテル」
- 「子供 割引 宿泊」
中高生連れ(13-18歳)
- 「ファミリールーム 4人」
- 「Wi-Fi 無料 ホテル」
- 「インスタ映え 観光地」
- 「アクティビティ 充実」
こういったキーワードに対して、年齢別のランディングページを用意することで、検索意図とのマッチ度が向上し、コンバージョン率が大幅に改善します。
ペルソナ別コンテンツの作成
単に「ファミリー向け」とするのではなく、具体的な家族構成を想定したニーズにあったコンテンツを作成します。
効果的なページタイトル例
- 「赤ちゃん連れでも安心!0歳から楽しめる○○ホテル」
- 「小学生が大興奮!プール&アクティビティ充実の○○」
- 「中高生も満足!Wi-Fi完備で家族みんなが楽しめる○○」
タイトルに年齢を明記することで、検索ユーザーは「自分たちのための情報だ」と認識し、クリック率が向上します。
料金の透明性とシミュレーション機能
以前に投稿した飲食店の記事でも触れた料金の明確化は、宿泊施設では更に重要です。
複雑な料金体系の可視化
明示すべき料金情報
- 子供料金の年齢区分と割引率
- 添い寝の可否と年齢制限
- 食事の有無による価格差
- 繁忙期と閑散期の料金差
- 追加料金(入湯税、サービス料等)
こういった報を表形式で整理し、さらに料金シミュレーター機能を実装することで、ユーザーの不安を解消できます。
料金シミュレーターの実装効果
家族構成と日程を入力すると、自動で総額を計算する機能は、予約率を大きく向上させます。
「大人2名+小学生1名+幼児1名で2泊した場合」のような具体例も併記すると、より理解しやすくなります。
口コミ管理と信頼性の構築
家族連れ口コミの重要性
先月にご紹介した美容室のWeb集客の記事でも説明しましたが、口コミは信頼性の重要ポイントです。特に家族旅行では、同じような家族構成の口コミが決定打となります。
効果的な口コミ収集方法
- チェックアウト時にアンケート依頼
- メールでのフォローアップ
- 口コミ投稿特典の設定
- SNSでの体験シェア促進
収集した口コミは、年齢別・目的別に整理して掲載することで、検索ユーザーが自分に近い体験談を見つけやすくなります。
Googleマイビジネスでの口コミ対策
Googleの口コミは、検索順位にも影響するため特に重要です。
すべての口コミに返信し、具体的な改善策を示すことで、施設の姿勢をアピールできます。また、自然にアピールポイントを訴求することも可能です。
予約サイト対策と直予約の促進
OTAと公式サイトの役割分担
OTA(予約サイト)の活用
- 新規顧客の獲得
- 価格比較での露出
- 口コミの蓄積
- 決済の簡便性
公式サイトの強み
- 詳細情報の提供
- ベストレート保証
- 直予約特典
- リピーター優遇
両者の特性を理解し、それぞれで適切な情報提供を行うことで、総合的な集客力が向上します。
直予約を増やすための施策
手数料のかからない直予約を増やすことは、収益性向上に直結します。
直予約促進策
- 公式サイト限定プラン
- 早期予約割引
- リピーター特典
- 会員限定サービス
これらの特典を明確に打ち出して、「公式サイトが一番お得」というメッセージを強調することが重要です。
場合によっては、自社でWeb広告を出してPRするのも効果的です。
モバイル最適化と表示速度
前回のカフェの集客記事でも触れましたが、旅行検索の約70%はモバイルから行われます。
モバイルでの予約導線
最適化のポイント
- 予約ボタンの固定表示
- 電話番号のタップ発信
- 日付選択の使いやすさ
- 画像の最適化
特に家族旅行では、移動中や子供の世話をしながらの検索も多いため、片手操作でも使いやすい設計が求められます。
Core Web Vitalsの改善
Googleは表示速度を検索順位の要因としているため、以下の指標を改善する必要があります。
- LCP(最大コンテンツの描画):2.5秒以内
- CLS(累積レイアウトシフト):0.1以内
画像の遅延読み込みや、不要なJavaScriptの削除で、これらの指標は大きく改善できます。
季節・イベント対応のコンテンツ戦略
また、季節対応の重要性を、クリーニング店の記事で説明しましたが、観光施設では更に重要になってきます。
季節別キーワードへの対応
シーズン別の検索キーワード
- 春:「GW 家族旅行」「春休み 子連れ」
- 夏:「夏休み プール ホテル」「避暑地 家族」
- 秋:「紅葉 子供 楽しめる」「シルバーウィーク」
- 冬:「スキー場 近く 家族」「温泉 子連れ」
各季節に合わせたコンテンツを事前に準備し、検索ボリュームが増える前に公開することで、上位表示を狙えます。
サイトスタイリング™による最適化アプローチ
当社が提案するこれからのWebマーケティングのスタンダード「サイトスタイリング™」は、こういったポイントを統合的に最適化します。
長期間の検討プロセス全体を通じて、各タッチポイントでのカスタマーバリアを除去。
年齢別対応、料金の透明化、口コミ活用、モバイル最適化を一貫性を持って実施することで、ファミリー層からの予約を確実に増やします。
効果測定とPDCA
重要KPIの設定と測定
測定すべき指標
- 年齢別キーワードの検索順位
- ファミリープランのページ滞在時間
- 料金シミュレーターの利用率
- 予約完了率(デバイス別)
- 口コミ数と評価点の推移
これらの数値を月次で確認し、改善施策の効果を検証します。特に繁忙期前の改善は、年間収益に大きく影響するため重要です。
まとめ
家族旅行の集客成功には、長期的な視点と細やかな配慮が必要です。
- 年齢別対応
- 料金の透明性
- 信頼性の構築
- モバイル最適化
これらを総合的に実施することで、OTAに依存しない、収益性の高い集客が実現できます。
まずは、自施設のサイトを「子育て中の親」の目線でチェックしてみてください。不安や疑問を感じる点が、改善のチャンスです。
詳しい診断や改善提案をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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