「プレスリリースを出すとSEOに効果があるの?」
この質問は非常に多いですが、答えは「直接的な効果は限定的、でも間接的な効果は非常に大きい」です。
プレスリリース配信サービスからのリンクの多くはnofollowで、直接のSEO効果(リンクジュースの受け渡し)はありません。しかし、プレスリリースをきっかけにメディアが記事を書いてくれれば、そのメディアからのdofollowリンクが獲得できます。さらに、企業名やサービス名での指名検索が増え、サイテーション(企業名の言及)が広がれば、サイト全体のE-E-A-T向上にもつながります。
つまり、プレスリリースのSEO効果は「被リンクの直接獲得」ではなく「メディア露出→被リンク→指名検索→権威性向上」という間接的なルートにあるということです。
今回は、プレスリリースのSEO効果の実態と、SEOに効く配信戦略、書き方のポイントを解説します。
目次
プレスリリースとSEOの関係 — 正しく理解する
プレスリリースの直接的なSEO効果
被リンクについて:
PR TIMES、@Press、ValuePressなどの配信サービスに掲載されるリンクは、ほとんどがnofollow属性です。つまり、Googleの検索順位に直接影響するリンクジュースは渡りません。
「プレスリリースを出せばSEO順位が上がる」は誤解です。配信サービスからのリンクだけでは、検索順位は上がりません。
ただし、以下の直接的な効果はあります:
- Googleに新しいコンテンツの存在を素早く伝えるクロールのきっかけになる
- 配信サービス内での検索結果に表示される(PR TIMES内の検索は月間数百万PV)
- 企業名+キーワードでの露出が増え、サイテーション効果がある
プレスリリースの間接的なSEO効果 — こちらが本命
プレスリリースのSEO効果の本質は、間接的なルートにあります。
ルート1:メディア掲載→dofollow被リンク獲得
プレスリリースを見た記者やWebメディアが自社の記事で取り上げてくれれば、そのメディアからのdofollowリンクが獲得できます。業界メディア、地域メディア、ニュースサイトからのリンクは、SEO的に非常に高い価値があります。
ルート2:指名検索の増加
プレスリリースで企業名やサービス名が露出すると、「○○会社」「○○サービス」という指名検索が増えます。指名検索の増加はGoogleにとって「この企業はユーザーに求められている」というシグナルになり、サイト全体の評価向上につながります。
ルート3:サイテーション(企業名の言及)の拡大
リンクがなくても、Web上で企業名やサービス名が言及されること(サイテーション)は、Googleのアルゴリズムに影響するとされています。プレスリリースがSNSで共有されたり、ブログで言及されたりすることで、サイテーションが広がります。
ルート4:E-E-A-T(権威性・信頼性)の向上
大手メディアに取り上げられた実績は、サイト上で「メディア掲載実績」として訴求できます。「○○新聞に掲載」「○○メディアで紹介」——こうした実績はE-E-A-Tの権威性(Authoritativeness)を高め、YMYL領域のサイト評価に寄与します。
ルート5:フレッシュネスアルゴリズムへの対応
Googleのフレッシュネスアルゴリズム(QDFアルゴリズム)は、新しいニュースや話題に関連するクエリで、新鮮なコンテンツを優先的に表示します。プレスリリースのタイミングでニュース性のあるコンテンツを自社サイトにも公開すれば、この恩恵を受けられます。
SEOに効くプレスリリースの書き方
タイトルにSEOキーワードを入れる
プレスリリースのタイトルは、配信サービス上でのSEO(サービス内検索)にも影響します。ターゲットとなるキーワードをタイトルに含めることで、配信サービス内での表示回数が増えます。
悪い例:
「新サービスのお知らせ」
→ 何のサービスかわからない。検索にもヒットしない
良い例:
「中小企業向けSEO内製化支援サービス「○○」を開始|月額○万円から伴走型でサポート」
→ ターゲット(中小企業)、サービス内容(SEO内製化)、価格感がタイトルだけでわかる
本文はニュース+SEOの両立を意識する
プレスリリースの本文は、記者が記事にしやすいニュース性と、SEO的に有効なキーワード配置の両方を意識します。
構成の基本:
- リード文(5W1Hを30秒で把握できるように)
- 背景・課題(なぜこのサービス/商品が必要なのか。業界の課題を提示)
- サービス/商品の詳細(特徴、価格、対象、差別化ポイント)
- 代表者のコメント(想いや展望。人間味が伝わると記者の関心が高まる)
- 会社概要(企業名、所在地、URL、問い合わせ先)
SEO的なポイント:
- 本文中にターゲットキーワードと共起語を自然に盛り込む
- 自社サイトへのリンクを含める(nofollowでもクロールのきっかけになる)
- サービスページや事例ページへの直接リンクも入れる
- 画像のファイル名とalt属性にもキーワードを含める
メディアが取り上げたくなる要素
プレスリリースの最大のSEO効果は「メディアに取り上げられること」です。記者が記事にしたくなる要素を意識して書きます。
メディアが関心を持つネタ:
- 数字のインパクト(「○○件の実績」「○○%の改善」「業界初の○○」)
- トレンドとの関連性(「AI」「DX」「リスキリング」「インボイス」等の時事テーマ)
- 社会課題の解決(人手不足、少子化、地域活性化)
- 独自の調査データやアンケート結果
- 有名企業との提携・協業
- 受賞・認定の報告
逆に取り上げられにくいネタ:
- 単なる新サービス・新商品の紹介(ニュース性がない)
- 自社の宣伝色が強すぎる内容
- データや数字の裏付けがない主張
プレスリリース配信サービスの選び方
主要配信サービスの特徴
PR TIMES(国内最大手)
配信数、メディア連携数ともに国内最大。Googleニュースへの配信、Yahoo!ニュースへの転載実績が多い。中小企業向けの料金プランもあり。月額制と1配信ごとの課金制を選べる。
@Press
メディアへの個別アプローチが強み。記者のリストから業界・テーマに合った記者にピンポイントで配信できる。取材獲得率が高いと言われている。
ValuePress
料金が比較的安価で、中小企業が使いやすい。配信数は少なめだが、コストパフォーマンス重視なら選択肢。
Dream News
1配信あたりの料金が最安クラス。大量配信向き。
選び方のポイント
- 自社の業界に強いメディアとの連携があるか
- Googleニュース、Yahoo!ニュースへの配信・転載実績
- 配信後のレポート(閲覧数、メディア掲載実績)の充実度
- 料金体系(月額 vs 都度課金、自社の配信頻度に合わせて)
- 画像・動画の添付制限
- 配信時間帯の指定可否
中小企業が初めてプレスリリースを出す場合は、PR TIMESか@Pressが無難です。配信実績とメディア連携の面で安定しています。
プレスリリースとSEOを連動させる実践戦略
プレスリリース→自社サイトの導線設計
プレスリリースを出すだけでは、SEO効果は最大化できません。自社サイト側の準備が必要です。
プレスリリース配信と同時にやること:
- プレスリリースの内容に対応した詳細ページを自社サイトに公開する(配信前に)
- プレスリリース本文から、その詳細ページへリンクする
- 自社サイトの「お知らせ」や「ニュース」にもプレスリリースの要約を掲載する
- SNS(X、Facebook、LinkedIn)でプレスリリースを告知する
- メルマガやLINEで顧客にも配信する
プレスリリース→配信サービス→メディア→自社サイトという一方通行ではなく、プレスリリースの内容を自社サイト・SNS・メルマガで多面的に発信することで、指名検索とサイテーションを最大化します。
被リンク獲得を最大化する追加施策
プレスリリースだけに頼らず、被リンク獲得のチャネルを複数持つことが重要です。
プレスリリースと組み合わせる被リンク施策:
- 業界メディアへの寄稿(専門家としての記事執筆)
- 自治体・商工会議所のサイトへの登録
- 業界団体・協会への加盟とサイト掲載
- 地域メディア(地方新聞、地域情報サイト)へのアプローチ
- 独自調査・ホワイトペーパーの公開(引用されることで自然な被リンク獲得)
- 取引先・パートナー企業との相互紹介(不自然なリンク交換はNG)
プレスリリースの配信頻度とタイミング
配信頻度の目安:
- 月1〜2回が理想的。多すぎると1本あたりの注目度が下がる
- ネタがない時に無理に出す必要はない。質>量
効果的な配信タイミング:
- 火曜〜木曜の午前10〜11時(記者が最もチェックする時間帯)
- 月曜・金曜・祝日前後は避ける(他のニュースに埋もれやすい)
- 業界の大型イベントやカンファレンスの直前(関連ネタとして取り上げられやすい)
- 季節のイベント・法改正・制度変更のタイミング(時事性を活用)
プレスリリースのSEO効果を測定する
配信後に確認すべき指標
配信直後〜1週間:
- 配信サービス上の閲覧数
- メディア掲載件数(配信サービスのレポートで確認)
- 自社サイトへの流入増加(GA4でリファラル元を確認)
- SNSでの言及数
1ヶ月後:
- 被リンクの増加(Search Console → リンク or Ahrefs等で確認)
- 指名検索の増加(Search Console → クエリレポートで企業名・サービス名の表示回数)
- 対象キーワードの順位変動
3ヶ月後:
- サイト全体のドメインパワーの変化
- オーガニック検索流入の推移
- 問い合わせ・コンバージョンへの影響
効果が出ない場合の改善策
- メディアに取り上げられない → ニュース性の見直し。数字やデータを入れる。記者が記事にしやすい切り口に変える
- 被リンクが増えない → メディアへの個別アプローチを追加。寄稿やインタビュー取材の提案
- 指名検索が増えない → SNSでの拡散を強化。配信頻度を上げて認知を積み上げる
中小企業がプレスリリースを活用するメリット
「プレスリリースは大企業のもの」と思っている中小企業は多いですが、実は中小企業こそプレスリリースを活用すべきです。
- 広告費をかけずにメディア露出が得られる(配信費のみ)
- 第三者メディアに取り上げられることで信頼性が格段に上がる
- 地域メディアは中小企業のネタを積極的に探している
- 「業界初」「地域初」の切り口は、中小企業のほうが作りやすい
- プレスリリースの実績がサイト上のE-E-A-T向上に直結する
1本のプレスリリースが3〜5本のメディア記事になり、それぞれからの被リンクが検索順位を押し上げ、メディア掲載実績がサイトの信頼性を高める——この連鎖を作れれば、広告費以上の集客効果が期待できます。
プレスリリースのSEO効果を最大化するために
プレスリリースのSEO効果は、配信サービスからのリンクではなく、メディア掲載→被リンク→指名検索→権威性向上という間接ルートにあります。
ニュース性のある切り口でプレスリリースを書き、配信と同時に自社サイト・SNSでも多面的に発信する。メディアに取り上げられたら、その実績をサイトに掲載してE-E-A-Tを高める。配信後は被リンクと指名検索の変化を測定し、次の配信に活かす。
この一連の流れを継続的に実施することで、プレスリリースは中小企業にとって最もコストパフォーマンスの高いSEO施策になります。
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