「記事を公開したけれど、本当に効果が出ているのかわからない」
こんな不安を抱えている中小企業のweb担当者は少なくありません。
実際、私がこれまで支援してきた中小企業のほとんどのケースで、コンテンツを作ったまま放置状態でした。効果測定をしないでコンテンツを改善することは、地図なしで目的地に向かって出発するようなものです。
コンテンツSEOで効果を発揮させるためには、目標を設定し、データに基づいて改善を続けることがとても重要です。「何を測定し、どう改善するか」を明確にすることです。
この記事では、私が実際にサポートさせていただく際に行う効果測定の方法と、データを活用した最適化の手順をお話できればと思います。
目次
なぜ効果測定がコンテンツSEOの成功を左右するのか
多くの中小企業がweb集客を行う時、コンテンツ制作に力を入れる一方で、その効果を正しく測定していません。効果測定がなければ、どの施策が成功し、どの部分に問題があるのかを判断することができないのにです。
その多くは、記事を大量に公開しても流入数が思うように伸びないケースです。よくある原因は、記事の内容が検索意図とズレていることが考えられます。効果測定をきちんと行うと、こうした問題を早い段階で発見できて、適切な改善策を行うことができるようになります。
効果測定は単なる数字の把握ではなく、コンテンツ戦略をどの方向で進めていくのかを決める役割を果たせます。
では、具体的にどのような指標を測定すべきでしょうか。
本当に重要な指標だけを選ぶ測定の基本
効果測定でハマってしまう問題は、指標を増やしすぎて何をチェックして取り組めば良いかわからなくなることです。
重要なポイントは「3つの軸」で測定することです。
認知度の軸
オーガニック検索からの流入数、検索順位、インプレッション数をチェックします。この数値は、コンテンツがどれだけ多くの人に見つけられているかがわかります。検索順位は定期的に確認し、大きな変動があった場合は原因を調べることが大切です。
エンゲージメントの軸
ページ滞在時間、直帰率、内部リンクのクリック率を見ていきます。これは、訪問者がコンテンツに満足しているかどうかがわかります。滞在時間が短い記事は、検索意図と内容がマッチしていない可能性があります。
ビジネス成果の軸
コンバージョン率、リード獲得数、収益への貢献度を測定します。SEOの最終目標はビジネス成果の向上なので、この軸は忘れずにチェックしましょう。
この指標に絞ることで、データに振り回されることなく、本質的な改善に集中できるようになります。
Google Analyticsとサーチコンソールを使った実践的な測定方法
効果測定に必要なツールは、基本的にGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleの2つで十分です。
まずはこれらの無料ツールを使いこなすことから始めます。
Google Search Console
主にクリック数、表示回数、平均CTR、平均掲載順位をチェックします。
「検索パフォーマンス」レポートで、どのキーワードで表示され、どの程度クリックされているかを把握できます。CTRが低いキーワードは、タイトルやディスクリプションの改善が必要かもしれません。
Google Analytics
「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」から、オーガニック検索の流入状況を確認します。さらに、「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」で、各ページのパフォーマンスを詳しく分析できます。
重要なポイントは、これらのデータを定期的にチェックして、変化を見逃さないことです。毎週決まった曜日にデータを確認する習慣をつけると、小さな変化にも気づきやすいので、習慣化して取り組むようにしましょう。
データが揃ったら、次は具体的な改善の実行です。
効果的に最適化していくための手順を見ていきましょう。
データに基づいた改善の手順
測定したデータを改善に活かすためには、体系的なアプローチが必要です。
まず優先順位を決めることから始めます。
最初に着手すべきことは、流入数が多いにも関わらず直帰率が高い記事です。
こういった記事は既に検索エンジンからの評価を得ているものの、ユーザーの期待を満たせていないことが考えられます。
改善の第一步として、検索意図の再確認を行います。
対象キーワードで実際に検索し、すでに上位表示されている競合記事を分析します。ユーザーが本当に求めている情報と、自社記事の内容にギャップがないかをチェックしましょう。
次に、記事の構成を見直します。
読み飛ばしながらでも内容が理解できるよう、見出しの付け方や段落の分け方を工夫しましょう。また、導入部分で記事の結論や要点を先に示すことで、ユーザーの離脱を防げます。
内容の改善と並行して、内部リンクの最適化も行いましょう。
関連性の高い記事へのリンクを適切に配置することで、ユーザーのサイト内の回遊率を高められます。また、検索エンジンに内的要因を評価させるように持っていくこともできます。
そして、改善後は必ず効果を測定しましょう。
改善前に期待していた結果が得られなかった場合はさらに改善するを考えるようにしましょう。この改善サイクルを継続することが、コンテンツSEOの成功につながります。
競合分析で見つける改善のヒント
自社コンテンツの改善だけでなく、競合他社をチェックすることも重要です。
競合分析から得られるインサイトは、自社の戦略立案にとても役に立ちます。
まず、自社が狙っているキーワードで上位表示されている競合サイトを見つけ出します。そのサイトがどのような内容でコンテンツを構成しているかを分析します。
特にチェックするポイントは、記事の文字数、見出し構成、扱っているトピックの範囲です。競合が網羅している内容で自社記事に不足している部分があれば、それが改善のポイントになります。
また、競合サイトの新着記事をチェックすることで、業界のトレンドや注目キーワードを把握できます。競合が新しく取り組んでいるトピックは、検索需要が高まっている可能性があります。
ただし、競合の真似をするのは絶対にダメです。まず、差別化となりません。
競合分析で得た情報をベースに、自社ならではの独自性や専門性を加えるコンテンツを作って改善することが重要です。
効率的な改善のための優先順位の付け方
中小企業の限られたリソースで最大の効果を得るためには、改善の優先順位を適切に設定することが不可欠です。
最優先で取り組む箇所は、既に一定の流入があるのに、順位が11位〜30位を推移している記事です。こういった記事は、少しの改善で10位以内に入る可能性が高く、手間をかけた分の効果が期待できます。
次は、検索ボリュームが大きいキーワードで20位以内に入っている記事が良いです。競合のコンテンツは強いかもしれませんが、上位表示できれば大きな流入増加が見込めるからです。
順位が50位以下の記事は、記事の根本的な見直しが必要な場合が多いです。改善に時間がかかるので、リソースに余裕がある時に取り組むと良いです。
改善の優先順位を決める時は、自社のビジネス目標との関連性も含めて考えます。コンバージョンに近いキーワードの記事は、順位や流入数に関わらず優先的に改善していきましょう。
継続して改善することが一番大事
コンテンツSEOは短期間で劇的な変化を期待するものではありません。
継続的な改善で、長期的に安定した成果を得ると考えることが重要です。
まず、改善サイクルを習慣化しましょう。
月に一度、全記事のパフォーマンスを確認し、改善が必要な記事をリストアップします。週に一度は、そのリストから2〜3記事を選んで実際に改善を行います。
改善の効果が現れるまでには通常2〜3ヶ月かかりますので、焦らずに待ち、その間に他の改善を行うといったサイクルで継続していくことが大切です。効果が見えないからといって施策をコロコロ変えると、かえって順位が不安定になる可能性があります。
また、Googleのアルゴリズムアップデートにも注意を払いましょう。
大きなアップデートがあった際は、順位変動の原因を分析し、必要に応じて記事を調整します。
新しいコンテンツを作成する際も、過去の改善経験を活かしましょう。効果的だった改善手法を新記事に最初から適用することで、より高い位置からスタートすることが期待できます。
継続的な改善は、コンテンツ全体の品質向上とSEO効果を最大化することが期待できるようになります。
データ活用でコンテンツSEOに取り組む!
コンテンツSEOの効果測定と最適化について、実践的な手順をお伝えしました。
重要なポイント
- 認知度・エンゲージメント・ビジネス成果の3軸で測定する
- Google AnalyticsとSearch Consoleを活用した定期的なデータ確認
- 検索意図の再確認と記事構成の改善
- 競合分析による改善ヒントの発見
- 効果的な優先順位付けによるリソース配分
- 継続的な改善サイクルの習慣化
効果測定は面倒に感じるかもしれませんが、データに基づいた改善こそがコンテンツSEOを成功に導く確実な方法だと言えます。まずは基本的な指標の測定から始めて、徐々に分析の幅を広げて、精度を高めていきましょう。
適切な効果測定により、コンテンツの価値を最大限に引き出し、継続して営業効果を得られるようになります。
コンテンツマーケティングの全体像については、当社ブログの「Web集客でのコンテンツ充実の重要性」でも説明しています。基本的な考え方を理解したい方は、是非あわせてご覧ください。
当社の10ヶ月の伴走支援型のWebコンサルティングでは、効果測定の仕組み構築から改善の実行まで、実務ベースで支援するWebマーケティングサポートサービスです。データに基づいたコンテンツ改善をお考えの方は是非一度ご検討いただければと思います。
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