良いコンテンツを書いているはずなのに、なぜか検索順位が上がらない。
この悩みを抱えている方は多いと思います。
実は、「人間にとって良いコンテンツ」と「検索エンジンに評価されるコンテンツ」には、微妙な違いがあります。もちろん、最終的には人間のためのコンテンツであることが大前提ですが、検索エンジンに正しく理解され、評価されるための「書き方」があります。
検索エンジンに評価されるコンテンツは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を文章で示しながら、適切なキーワード配置と読みやすさを両立させたものです。テクニックだけでなく、書き手の経験や独自の視点を盛り込むことが、より重要になってきています。
前回の「検索意図を満たすコンテンツSEOの企画と構成」では、ユーザーのニーズを120%満たす企画の立て方をお伝えしました。今回は、その企画を実際の文章に落とし込む際の、SEOライティングの具体的なテクニックをお話しします。
目次
Googleが質の高いコンテンツと判断する3つの基準
Googleがどんなコンテンツを「質が高い」と判断するのか。
前述しているように、「検索エンジンに評価されるコンテンツ」は評価されるための書き方をしなければなりません。
まずはそのポイントを見てみましょう。
今のGoogleが重視していること
2024年から2025年にかけて、Googleの評価基準は大きく進化しました。単純なキーワードの出現頻度や被リンク数だけでなく、コンテンツの「質」そのものを多角的に評価するようになっています。
私が特に実感しているのは、以下の3つの観点です。
1. コンテンツの有用性
ユーザーの課題を本当に解決できているか。
これは当たり前のようで、意外とできていないサイトが多いです。
2. 情報の信頼性
正確で、最新で、根拠のある情報か。
特に医療や金融などYMYL(Your Money or Your Life)分野では、この基準が厳格に適用されます。
3. 読みやすさとアクセシビリティ
誰もが理解しやすく、使いやすい形で情報が提供されているか。
スマホでも読みやすいか、専門用語ばかりで初心者を置き去りにしていないか。
これらの基準をクリアすることが、検索上位になるためのコンテンツ作りの第一歩となります。
ユーザーの行動が教えてくれること
Googleは、私たちが思っている以上にユーザーの行動を見ています。
長い滞在時間、低い直帰率、ページ内でのスクロールやクリック。これらはすべて「このコンテンツは役に立った」というシグナルです。逆に、すぐに検索結果に戻ってしまうポゴスティッキング(ポゴスティッキングとは、ユーザーがサイトにアクセスし、すぐにそのサイトを離れて検索結果に戻り、別のサイトにアクセスすること)、極端に短い滞在時間などは、「期待はずれだった」というシグナルになります。
私がこれまでサポートさせていただいたサイトを例に出すと、平均滞在時間が3分を超える記事は、ほぼ例外なく検索順位も高い傾向にあります。つまり、テクニックで一時的に上位表示できても、ユーザーに評価されなければ、いずれ順位は下がってしまうのです。
E-E-A-Tを文章で表現する方法
E-E-A-Tとは、Googleがウェブサイトやコンテンツを評価する際に重視する「品質評価基準」のことです。
その概念は知っていても、実際にどう文章に落とし込めばいいか悩みますよね。
私なりの実践方法をお伝えします。
Experience(経験)は具体的なエピソードで
経験は、最も説得力のある要素です。
でも「10年の経験があります」と書くだけでは不十分。具体的なエピソードで示すことが大切です。
どのような課題に直面し、どのような解決策を講じたのか、その結果どのような成果や学びを得たのかを具体的に伝えることで、経験の深さや実践力がより明確に伝わります。
経験は具体的なエピソードとして示してあげることで、相手は「この人は本当に現場で活躍している」とイメージしやすくなり、信頼感や説得力を高めることができます。
Expertise(専門性)はユーザー目線で表現
専門性を示すのは大切ですが、専門用語を並べるだけでは逆効果です。
私が心がけているのは、専門用語を使う時は必ず「つまり〜ということです」といったような専門用語の説明を加えるようにしています。例えば、「CLSは0.1以下が理想です」だけでなく、「CLSとは、ページを読んでいる最中に画像や広告がズレて、間違ってクリックしてしまうようなイライラする現象を数値化したものです。0.1以下なら、ほとんどズレを感じないレベルです」といった具合です。
専門性は、難しいことを簡単に説明することでも示すことができます。
Authoritativeness(権威性)は実績で語る
権威性というと堅苦しく聞こえますが、要は「この人の言うことなら信頼できる」と思ってもらうことです。
実績や資格も大切ですが、私が効果的だと感じているのは、具体的な数字を交えた事例の紹介です。
「多くの企業を支援してきました」より「これまで50社以上のSEO改善を支援し、平均して6ヶ月で月間オーガニック流入を2.3倍に増やしてきました」の方が説得力があります。
また、業界の最新動向に言及することも権威性につながります。「2025年1月のコアアップデートでは〜」といった形で、常に最新情報をキャッチアップしていることを示すのです。
Trustworthiness(信頼性)は透明性で築く
信頼性は、情報の出典を明示したり、デメリットも正直に書いたりすることで築けます。
私は必ず、データを引用する時は出典を明記し、手法を紹介する時は「ただし、この方法は〜という場合には向きません」と限界も示すようにしています。また、記事の最後には必ず更新日を記載し、古い情報でないことを明確にしています。
完璧な解決策なんてありません。そのことを正直に認めることが、むしろ信頼につながるのです。
キーワードを自然に配置する
E-E-A-Tに配慮した内容ができたら、次はSEOの技術的な部分です。
キーワードの配置は、やりすぎても、やらなさすぎてもダメ。絶妙なバランスが求められます。
タイトルと見出しでの使い方
タイトルにはメインキーワードを必ず含めますが、できるだけ前半に配置します。「検索エンジンに評価されるコンテンツの書き方」のように、キーワードを自然に組み込みつつ、クリックしたくなる要素も加えます。
見出しは、H1にメインキーワード、H2には関連キーワードや共起語を使います。ただし、無理に詰め込むのではなく、ユーザーにとってわかりやすい構成を優先します。私は、見出しを見ただけで記事の内容がだいたいわかるぐらいで設定しています。
本文での自然な使い方
本文でのキーワード使用は、ほとんど意識をせず、文章の流れで必要な場所でキーワードを使うようにしています。文脈に合わせて自然に使うことが大切です。文章を見直した時、あまりにもつかすぎている箇所があれば、分散して記述するように調整しています。
また、同じキーワードを繰り返すより、同義語や関連語を使う方が効果的です。「SEO対策」なら「検索エンジン最適化」「検索順位向上」「オーガニック流入改善」など、バリエーションを持たせます。
共起語(一緒に使われることが多い言葉)も重要です。
SEOの記事なら「キーワード」「コンテンツ」「Google」「順位」「流入」などが自然に含まれているはずです。これらの言葉が適切に含まれていることで、検索エンジンはトピックの関連性を理解します。これは、丁寧に説明することを心がければ自然に共起語が使われることになるので、あまり意識しなくても良いかもしれません。
読みやすさとSEOを両立させるコツ
SEOを意識しすぎて、読みにくい文章になっては本末転倒です。私が行なっているコツをお伝えします。
段落と文章の長さを意識する
1つの段落は200〜300文字程度、1文はあまり長くならないように心がけています。これは、読みやすさへの配慮です。特にスマホで読む時の読みやすさを考えたものです。
長い文章は、接続詞で区切って短くします。「〜ですが、〜なので、〜です」という文章なら、「〜です。しかし、〜なので、〜といえます」のように分割します。
段落の最初には、その段落で伝えたいことの要点を置きます。これをトピックセンテンスと呼びますが、ユーザーがスキャンしながら読んでも内容を把握できるようになります。
視覚的な工夫で離脱を防ぐ
文字ばかりが続くと、見ているユーザーは疲れてしまいます。適度に箇条書き、太字、画像などを使って、視覚的にメリハリをつけるようにしています。
重要なポイントは太字にし、手順は番号付きリストに、選択肢は箇条書きにする。これだけでも、格段に読みやすくなります。
また、次の内容への期待感を持たせる工夫も大切です。「でも、それだけではありません」「さらに重要なのは」といった表現で、ユーザーを次へ次へと導いていくようにしています。
作成手順を効率化する
質の高いコンテンツを継続的に作るには、効率的な作成手順が大切です。
リサーチとライティングの黄金比率
私の場合、全体の時間配分は「リサーチ40%、構成10%、ライティング40%、見直し10%」です。
リサーチに時間をかけるのは、集めた情報の質がコンテンツ全体の質を決めてしまうからです。競合分析、最新情報の収集、関連データの調査。これらをしっかり行うことで、ライティングはスムーズに進みます。
構成段階では、集めた情報を論理的に読みやすく整理します。ユーザーの理解の流れを考えて、どの順番で情報を提示するか考えて決めていきます。この段階でしっかり設計しておけば、ライティングで迷うことがすごく減りますよ。
AIツールとの上手な付き合い方
ChatGPTなどのAIツールは便利です。
でも、あくまで補助ツールとして使うべきです。
私はAIを、アイデア出しや構成案の作成、表現の言い換えなどに活用しています。でも、最終的な文章は必ず自分で書いています。なぜなら、経験に基づく考えや、私自身の視点は、AIでは書けないので。また、AIの文章はどこか無機質で論文調子です。勉強感が出てしまって、読み疲れていまうと思います。
E-E-A-Tが重視される今、人間にしか書けない要素こそが差別化のポイントになります。失敗談、現場での気づき、顧客との対話から得た学び。これらは、どんなに優秀なAIでも生み出せない価値です。
公開後の改善サイクル
コンテンツは、公開してからが本当のスタートです。データを見ながら、継続的に改善していく必要があります。
効果測定で見るべき指標
私が必ずチェックしているのは、検索順位、オーガニック流入数、平均滞在時間、直帰率の4つです。
特に注目すべきは、11〜20位にいるコンテンツ。これらは、少し手を加えるだけでトップ10入りが狙える「伸びしろのあるコンテンツ」です。タイトルの調整、情報の追加、内部リンクの最適化などで、大きく順位が改善することがあります。
また、流入はあるのにコンバージョンにつながらないコンテンツも要注意です。検索意図とコンテンツにズレがある可能性があります。
リライトのタイミング
私は3ヶ月ごとに全コンテンツをレビューし、以下の基準でリライト対象を決めています。
順位が下がり始めたコンテンツ、情報が古くなったコンテンツ、競合が新しい切り口で書いているテーマ。これらは優先的にリライトします。
リライトする時は、ただ情報を追加するだけでなく、構成から見直すこともあります。ユーザーのニーズは時間とともに変化するので、それに合わせてコンテンツも進化させる必要があるのです。
評価されるコンテンツの書き方 まとめ
検索エンジンに評価されるコンテンツの書き方について、実践的な方法をお伝えしてきました。
重要なポイント
- E-E-A-Tを具体的なエピソードと共に文章で表現する
- キーワードは自然に、でも戦略的に配置する
- 読みやすさを最優先に、SEOはその上に積み上げる
- リサーチに時間をかけ、執筆プロセスを効率化する
- 公開後も継続的に改善を続ける
検索エンジンに評価されるコンテンツとは、ユーザーに本当に価値を提供できるコンテンツです。
E-E-A-Tを意識しながら、自分の経験や独自の視点を盛り込んで、ユーザーの課題を解決し、ニーズを満たしてあげる。そして、それを検索エンジンにも正しく理解してもらうための技術的な配慮を行う。この両方がきちんと最適化できていれば、持続的に成果を出せるコンテンツが作れると考えています。
質の高いコンテンツ制作については、「Web集客でのコンテンツ充実の重要性」でも基本的な考え方でも説明されています。是非あわせてご覧ください。
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