「SEO」という言葉を聞くと「検索順位を上げるための難しい技術」といったように思われる方が多いと思います。
でも、本当のSEOはそうした技術的な面だけではなく「ホームページを訪れるユーザーに対する親切と優しさ」が一番大事だと考えています。
今日はそんなSEOの本質について見ていきます。
目次
SEOは技術ではなく思いやり
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、何を目指しているのか。
それは「検索するユーザーに最適な情報を提供すること」です。
街で何かを探しているとき、親切なお店の人が「探しているのものはこちらにありますよ」と案内してくれると嬉しいですし、助かりますよね。インターネットの世界でも同じです。ユーザーに対して親切に求める情報に素早く案内してくれるホームページを、検索エンジンは高く評価するのです。
SEOは「検索エンジンを攻略するためのテクニック」ではなく、「ユーザーに親切で使いやすいホームページを作る取り組み」なのです。
ユーザーが離脱する本当の理由を知っていますか?
あなたのホームページに訪れたユーザーが、すぐに「戻る」ボタンを押して去っていく理由は何だと思いますか?
多くの場合、「不親切」が原因です。
- ページの表示に5秒以上待たされる
- スマホで見ると文字が小さすぎて読めない
- どこをクリックすれば良いのかわからない
- 求めている情報がどこにあるのかわからない
これらはすべて、ユーザーにとっての「不親切」です。実店舗で例えるなら、レジに長蛇の列ができているのに店員が増えない、商品の値札が見つからない、店内が暗くて商品がよく見えない…といった状況に似ています。そんなお店にまた行きたいと思いますか?
ホームページも同じです。
見た目がどんなにキレイで動きがあったとしても、使いにくければユーザーはすぐページを離れていきます。そして、検索エンジンもきちんとそれを評価します。
テクニカルSEOが実現する5つの「親切」
テクニカルSEOと聞くと難易度が高いテクニックと思うかもしれませんが、実は「ユーザーへの親切」を技術的に実現するための設定です。具体的にどのような「親切」ができるのかを見ていきましょう。
1. 表示速度の最適化
ページの表示速度は、ユーザー体験に直結する重要な要素です。検索エンジンの調査によれば、表示に3秒以上かかるページからは、約40%のユーザーが離脱するとされています。
レストランで例えるなら、注文してから料理が出てくるまでの時間のようなものです。いくら美味しい料理でも、提供が遅すぎれば満足度は下がりますよね。ホームページも同じです。
表示速度を改善するため技術的対策
- 画像の最適化: 高解像度の写真をそのままアップロードするのではなく、適切なサイズに圧縮する
- 不要なコードの削除: 使用していないJavaScriptやCSSを削除する
- ブラウザキャッシュの活用: 一度読み込んだファイルを再利用できるよう設定する
- CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の利用: ユーザーの地理的位置に近いサーバーからコンテンツを配信する
スマホでネットを見ているときに、表示が遅いページにはイライラした経験がありませんか?通勤電車の中など、通信環境が不安定な場所を通過することもあるので、サクッと表示されるページはスムーズに読み進めていけるので、ユーザーに配慮でえきているなあと感じます。
ページの表示速度の改善は技術的な施策ですが、その意味は「お客様を待たせない」という接客での配慮です。
2. スマホ対応
現在、インターネットからのアクセスの半分以上はスマホからと言われるようになりました。なのに、PCでの閲覧を前提としたデザインだったり、スマホで操作しにくい状態だったら、多くのユーザーに我慢を強いることになります。
モバイルフレンドリーなホームページの技術的ポイント
- レスポンシブデザイン: 画面サイズに応じて自動的にレイアウトが調整される設計
- タッチしやすいボタン設計: 指でタップしやすい大きさ(最低44×44ピクセル)のボタン
- 適切なフォントサイズ: スマホでも読みやすい文字の大きさ(16px以上推奨)
- コンテンツの優先順位付け: 小さな画面でも重要な情報がすぐに見られるよう配置
お店に例えるなら、車いすでも入りやすい広い通路や、子ども連れのお客さんにも使いやすいテーブル配置を考えるようなものです。どんなお客様にも快適に過ごしてもらうための配慮です。
Googleが2018年から「モバイルファーストインデックス」を導入し、モバイル対応はもはや必須となっていますが、それは表示するだけのことを言っているのではなく、操作性も、見やすさも、ユーザーの体験すべてを指しています。スマホで閲覧する時のすべてのポイントでユーザーへの配慮ができていれば、検索順位にも好影響が見込めます。
3. 内部リンクの最適化
内部リンクとは、ホームページ内の別のページへのリンクのことです。これが適切に設計されていると、ユーザーは欲しい情報にスムーズに辿り着くことができます。
良い内部リンク設計の技術的なポイント
- 論理的な階層構造: ホーム→カテゴリページ→個別ページという明確な構造
- パンくずリスト: 現在の位置がわかるようにする案内表示
- 関連コンテンツへのリンク: 「こちらの記事も参考になります」といった誘導
- 明確なアンカーテキスト: リンクの文字部分が内容を適切に表現している
この取り組みは、デパートでフロアガイドや案内表示がしっかりしていると迷わずに目的の売り場に行けるのと同じです。「お探しのものはこちらにございます」と丁寧に案内するスタッフのような役割を、内部リンクが果たしてくれます。
4. ウェブアクセシビリティ
ウェブアクセシビリティとは、障害のある方や高齢者など、様々な条件のユーザーがホームページを利用できるようにする取り組みです
技術的な対応ポイント
- 画像の代替テキスト(alt属性): 画像の内容を説明するテキストを設定し、視覚障害者用のスクリーンリーダーで読み上げられるようにする
- キーボード操作対応: マウスを使わなくても全ての機能が利用できるようにする
- 色のコントラスト: 文字と背景のコントラスト比を適切に保ち、色覚特性のある方にも読みやすくする
- 見出し構造の適切な設定: h1〜h6タグを論理的に使用し、文書構造を明確にする
私自身、最近老眼が進み、小さな文字のホームページはとても読みづらいです。なので、文字の大きさやコントラストを適切に配慮してくれているホームページはスムーズに読み進めていくことができます。当人になるとその利便性がよくわかります。
アクセシビリティへの対応は「特別な人のため」ではなく、実は誰もが必要な配慮です。なので、どんなホームページでもしっかり取り組む必要があります。また、2024年4月からは改正障害者差別解消法により、ウェブアクセシビリティへの合理的な配慮が法的にも求められるようになりっています。
5. 検索結果表示の最適化
ユーザーとの最初の接点である検索結果ページでの表示も、重要な「親切ポイント」です。ここで適切な情報を提供できると、ユーザーは自分の求める情報がそのページにあるかどうかがわかるようになります。
技術的な対応ポイント
- タイトルタグの最適化: 検索結果に表示される青いリンクテキストを、内容を適切に表現するものにする
- メタディスクリプションの設定: 検索結果に表示される説明文を魅力的で正確なものにする
- 構造化データの実装: リッチリザルト(評価や価格などの追加情報)が表示されるようにマークアップする
これは、お店の看板やショーウィンドウのようなものです。外から見ただけで「このお店に入れば欲しいものが見つかりそうだ」とわかれば、入店率が上がりますよね。
また、検索結果ページに画像やリンクなどさらの豊富な情報が表示されるリッチリザルトは、通常の検索結果よりも目立ち、クリック率が高くなるというデータもあります。技術的には少し複雑ですが、できれば実装しておきたい設定です。
「親切」を中心にしたSEOと集客の関係
テクニカルSEOの様々なポイントは、すべて「ユーザーへの親切」を実現するために必要な取り組みです。そして、この「親切」は単なる考え方ではなく、実際の作業を行い、ビジネス成果にもつなげていくこおとができます。
親切で使いやすいホームページの好循環
- ユーザーの満足度向上: 使いやすさが向上し、求める情報がスムーズに見つかる
- 滞在時間の延長: 満足度の高いホームページでは、ユーザーが長く滞在する
- コンバージョン率の向上: 情報を見つけやすく、操作しやすいホームページは、問い合わせや購入などのアクションにつながりやすい
- SEO評価の向上: ユーザーの行動データ(滞在時間、直帰率など)は検索エンジンの評価要因となる
- 検索順位の上昇: SEO評価が高まれば、検索結果でより上位に表示される
- アクセス数の増加: 上位表示されれば、より多くのユーザーが訪れる
この循環は、「お客様を大切にするお店には自然とお客様が増える」という実店舗のビジネス原則とまったく同じです。
ホームページ制作会社に丸投げは危険
技術的な設定が絡む取り組みなので、制作会社というプロに丸投げ絵したいところですが、実はそこにいくつかのリスクがあります。
多くのホームページ制作会社は、デザイン面だけを重視する傾向があり、ここまでお話ししたような「ユーザーへの親切な配慮を行う」という視点が欠けていることも少なくありません。また、そういった配慮が必要なことを知らないことも多いです。見た目は美しいが使いにくい、表示が遅い、スマホで操作しづらいといったホームページが作られてしまうことも珍しくありません。
リニューアル後に見た目は良くなったものの、表示速度が遅くなり、検索からのアクセスも減少したというケースをよく耳にします。原因は画像の最適化や不要なアニメーションなどの基本的な配慮が欠けていたためです。
すべての制作会社がそうだというわけではありません。しかし、あなた自身がSEOの本質を理解して「ユーザーへの親切」という視点をチェックリストとして持っていれば、より良いホームページづくりのパートナーとして制作会社を選ぶことができるようになります。
自分でもできるSEO改善のポイント
「難しそう…」と思われるかもしれませんが、SEOの基本的な部分は専門知識がなくても実践できることが多いです。「ユーザーへの親切」という視点さえあれば、いくつかの改善に取り組むことができます。
比較的簡単に取り組める改善ポイント
- 画像の圧縮: 無料のオンラインツール(TinyPNGなど)を使って、画像ファイルのサイズを小さくする
- 明確なメニュー構造: ユーザーが迷わないよう、わかりやすいメニュー項目にする
- 文章の読みやすさ改善: 長すぎる段落を分割し、見出しを適切に使用する
- 問い合わせフォームの簡素化: 必要最低限の入力項目にし、ユーザーの負担を減らす
- 関連記事やサービスへのリンク: ユーザーの「次の行動」を提案するリンクをわかりやすく設置する
このような小さな改善を積み重ねると、ホームページの「親切度」は着実に高まります。大切なのは「このユーザーはどんな情報を求めているだろう?」「どうすれば見つけやすくなるだろう?」と考えて自分自身で操作して見てみることです。
アメブロで各ポイントを解説しています
「SEOはユーザーへの親切と優しさ」というテーマで、いくつからの角度からその内容と取り組み方などを公開しています。各記事では、今回紹介したテクニカルSEOをより具体的に説明しています。
興味のある方は、是非チェックしてみてください。
- SEOはユーザーへの親切な配慮から → SEOの本質について
- 親切なホームページにするための考え方 → ユーザー視点のサイト設計
- ユーザーがスムーズに操作できるホームページ → 操作性の重要性
- 検索結果ページでわかりやすい配慮を → タイトルやディスクリプション
- ウェブアクセシビリティで誰もに優しいホームページ → 多様なユーザーへの配慮
- 内部リンクの最適化は親切な接客と同じ → ユーザーの案内について
- 安全で安心なホームページのための取り組み → セキュリティ対策
- リッチリザルトでもっと訴求する → 検索結果での見せ方
- 「SEOはユーザーへの親切と優しさ」まとめ → 全体の振り返り
また、テクニカルSEOの詳細については「Webサイトの集客力を左右するテクニカルSEO」でもより解説していますので、あわせてご覧いただければ幸いです。
SEOの本質は「人への優しさ」にある
テクニカルSEOについて見てきました。
テクニックの話も書きましたが、本当に伝えたいのは「人への優しさ」です。
検索するユーザーとユーザーを待っているホームページ管理者は、インターネットとホームページを介してコミュニケーションを行うので、直接顔を合わせることはありません。なので、実店舗の接客より一層の配慮が必要になります。目の前にいないからこそ、「この人はどんな状況で見ているのだろう?」「どんな情報を求めているのだろう?」と考えて配慮していくことが求められます。
表示速度の改善、スマホ対応、内部リンクの最適化、アクセシビリティへの配慮、検索結果での適切な情報提供…これらはすべて、実店舗でお客様をおもてなしする際の「当たり前の気配り」と本質的に同じです。
テクノロジーが進歩しても、ビジネスの根本にある「お客様を大切にする」という姿勢は変わりません。
SEOという技術も、その本質は「人への思いやり」です。
あなたのホームページは「親切」ですか?
一度、時間を作られて、あなたのスマホであなたのホームページを見てみてください。
- 表示は十分に速いですか?
- スマホでも見やすく使いやすいですか?
- 余計な動きで見にくくなっていませんか?
- 情報がわかりやすく整理され、必要な情報に辿り着きやすいですか?
- 様々な条件のユーザーが利用できるようになっていますか?
- 検索結果で適切な情報を提供できていますか?
「見た目はキレイだけど、使いづらい」というホームページは、実は多くのビジネスチャンスを逃しています。「キレイなだけ」ではなく「親切で優しい」ホームページが、ユーザーに情報を提供でき、ビジネスの成功につながっていきます。
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