Web集客やマーケティングについて、外注先に依頼するのが一般的ですが、内製化を希望する中小企業は少なくありません。そんな要望を受けて、当社のWebコンサルティングは集客をサポートするのと同時に、内製化の支援も行っています。そのことについて、当社サイトのブログに「Webマーケティングを内製化!集客の自走力を高める」を公開しました。
この記事では、WebマーケティングにおけるSEOの「内製化」について、詳しく見てみます。
目次
なぜSEO対策を内製化すべきなのか?
SEO対策は一度やって終わりではなく、検索エンジンのアルゴリズム変更や市場トレンドの変化に合わせて、継続的に取り組む必要があります。また、スペック面でのSEO以外は、各ページの充実などコンテンツ面の取り組みも多く、自社内を中心にしたSEOの取り組みとなります。
SEOのほとんど全部を外部に丸投げしている企業が多い中、SEOを内製化することで得られるメリットを見ていきます。
データとノウハウが社内に蓄積される
外部のSEO会社に依頼していると、どのキーワードが効果的だったのか、どんなコンテンツが上位表示されやすいのか、といった貴重なデータやノウハウが全て外部に蓄積されていきます。これはもったいないことです。
内製化すれば、これらの情報が全て自社の資産となります。
効果のあったタイトルタグやメタディスクリプションのパターン、検索ユーザーが実際に使っている長尾キーワード、コンバージョンにつながりやすいページの特徴、滞在時間が長いコンテンツの構成方法など、様々な知見が社内に蓄積されていきます。これらは時間とともに価値が増し、より効果的なSEOの施策となっていきます。
また、担当者が変わっても、社内にノウハウが残るため、担当者が変わっても一からやり直す必要がありません。これは長期的に見ると大きなメリットです。特に中小企業では人材の入れ替わりも珍しくないため、ノウハウの社内蓄積は事業の安定性にもつながります。
迅速な対応が可能になる
Googleのアルゴリズムアップデートが行われたとき、競合が新しいページを公開した時、トレンドキーワードが急上昇した時、こうした変化に素早く対応できるのは大きな強みです。
SEOの世界では、こういったタイミングにあわせて施策を行うことも重要です。トレンドの波に乗り遅れれば、せっかくの機会を逃してしまいます。
外部に依頼していると、定例の月次ミーティングでは対応できないので、臨時ミーティングの設定、提案の作成、見積もりの承認などを経て進めなければならないので、実際に施策を実行するまでに時間がかかってしまいます。その間にも状況は変わり続けます。
例えば、話題のニュースに関連したコンテンツを公開したいとき、外部への依頼から実際の公開まで1週間かかるとしたら、その頃にはもう旬を過ぎている可能性があります。
内製化していれば、変化に気づいたその日のうちに対応策を実行できます。
アルゴリズム変更で順位が下がったページをすぐにチェックしたり、話題のニュースに関連したコンテンツをタイムリーに発信したり、競合の動きに対応した新しいキーワード戦略を即座に展開したりすることが可能になります。このスピード感が、検索ユーザーへのアプローチを逃さずに行え、SEOでの競争優位性につながっていきます。
また、自社内の承認プロセスも短くなるため、企画から実行までのリードタイムが大幅に短縮されます。これは外部に依頼しているケースでのスケジュールと比べるとはるかにスムーズに進めることができ、大きなメリットであると言えるでしょう。
自社のビジネスに最適化したSEO戦略が立てられる
外部のSEO会社は複数のクライアントを抱えており、業界や商品の深い知識がないまま対応することが多いです。
どんなに優秀なSEO会社でも、あなたの会社ほどその製品やサービスを理解していることはありません。一方、自社スタッフは製品やサービスの特徴、顧客の悩み、業界の専門用語などを現場レベルで熟知しています。
これは非常に重要なことで、この知識を活かせられれば、よりユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツの企画やそれに関するキーワード選定をスムーズに作成できます。例えば、お客様からよく聞かれる質問をFAQページに反映したり、業界特有の専門用語と一般ユーザーが使う言葉の両方を考慮したコンテンツを作成したりすることができます。
また、日々の顧客対応から得られる生の声を直接SEO施策に反映できるのも大きな強みです。
「こんな質問をよく受ける」「この部分が理解されにくい」といった現場の知見は、価値の高いSEOのヒントになります。外部のSEO会社では得られない、リアルタイムの顧客インサイトを活用できるのは内製化の大きなメリットです。
さらに、自社の営業パターンや季節的な需要変動も熟知しているため、タイミングを見計らったキャンペーンページの作成や、需要の高まりに合わせたコンテンツの最適化なども可能になります。自社のビジネス特性を熟知していることで、より効果的なSEO戦略が立てられます。
コスト効率が大幅に向上する
長期的に見ると、SEOの内製化はコスト削減につながります。外部のSEO会社に毎月固定費を支払い続けるよりも、一定期間の投資で自社のスキルとノウハウを高め、その後は自走する方が経済的です。特に成長を続ける企業では、外部委託のコストは時間とともに増加していく傾向がありますが、内製化ならばその分を他の施策に回すことができます。
もちろん、初期段階ではSEOを学ぶための時間や、ツール導入などの投資が必要かもしれません。しかし、これらは一度正しく実行できれば長期間その効果を発揮することができます。社内に知識やノウハウが蓄積されれば、追加のページやサイトの最適化も効率的に行えるようになります。
また、必要なタイミングで必要な部分だけを外部に依頼することも可能になります。
全てを外部に依頼するのではなく、技術的に難しい部分や専門性の高い分析だけを外部に依頼し、日常的な更新や監視は内部で行うという組み合わせが可能になり、効率的な施策の実行が可能となります。
さらに、SEOのスキルは他のデジタルマーケティング施策にも応用できます。
コンテンツマーケティング、SNS運用、メールマーケティングなど、様々な分野で活かせるスキルが身につくため、マーケティング全体の効率と効果の向上が期待できます。これは中小企業にとって、販促予算を効率的に使う上でとても大事なポイントです。
一貫したSEO戦略とコンテンツ制作が可能になる
外部の複数のベンダーに依頼していると、コンテンツの品質やトーン、アプローチにばらつきが生じることがあります。特にSEO会社、コンテンツ制作会社、ウェブ制作会社など複数の会社が関わっている場合、統一感が失われがちです。しかし、中心となる企画や施策を内製化しておくことで、ブレの少ないSEO戦略とコンテンツ制作が可能になります。
タイトルタグやメタディスクリプションの書き方が統一され、内部リンク戦略が体系的に行えるようになります。また、コンテンツの品質とスタイルが一定に保たれるため、ユーザーの使いやすさの向上も期待できます。サイト全体の構造を考慮したページ作成も可能になるでしょう。
また、過去のコンテンツと新しいコンテンツの整合性も取りやすくなります。
古いコンテンツと新しいコンテンツの間で情報の矛盾が生じると、ユーザーだけでなく検索エンジンからの評価も下がる可能性があります。内製化することで、サイト全体の整合性を維持しやすくなり、結果としてSEOでのパフォーマンスの向上につながっていきます。
SEOの内製化に必要なスキルと知識
実際に、SEOを内製化するためには何が必要なのでしょうか?
基本的なスキルと知識について見ていきましょう。
検索エンジンの仕組みとSEOの基本を理解する
まずは、検索エンジンがどのように動作し、どのような要素を評価しているのかを理解することが重要です。
クローリングとインデックスの仕組み、検索順位を決定するアルゴリズムの基本、EAT(専門性、権威性、信頼性)の概念など、SEOの基礎を学ぶことから始めましょう。
Googleの検索エンジンは常に進化していますが、その根本的な目的は「ユーザーにとって最も価値のある情報を提供すること」です。これを正しく理解していれば、アルゴリズムの細かな変更に一喜一憂することなく、本質的なSEO対策を行うことができます。
また、コアウェブバイタルなどの技術的要件や、モバイルフレンドリーの重要性など、SEOで重視される要素も押さえておく必要があります。検索エンジンの進化に合わせて、これらの知識も常にアップデートしていくことが大切です。
初めは複雑に感じるかもしれませんが、基本をしっかり理解すると、流行りや小手先のテクニックなどドに左右されない正しいSEOの基礎を構築することができます。SEOの専門書籍やオンラインコースで基礎を学び、Google公式のウェブマスターガイドライン、有名SEO情報サイトなども定期的にチェックするようにしましょう。
キーワードリサーチのスキル
SEOのひとつの施策として、適切なキーワードを見つけ出し、それに基づいてコンテンツを最適化することがあります。効果的なキーワードリサーチには、以下のようなスキルが求められます。
検索ボリュームとキーワードの難易度の分析は、どのキーワードをターゲットにするかを決める上で重要です。
競争が激しすぎるキーワードは避け、適切な検索ボリュームがありながらも競争が比較的少ないキーワードを見つけることがこの施策の重要ポイントとなります。
また、検索意図(インフォメーショナル、ナビゲーショナル、トランザクショナル)の理解も重要です。
ユーザーが何を求めて検索しているのかを理解し、その意図に合ったコンテンツを提供することで、上位表示の可能性が高まります。
さらに、ロングテールキーワード(具体的で検索ボリュームは少ないが、競争が少なく、コンバージョン率が高いキーワード)を見つけ出すことも必要なスキルと言えるでしょう。
これらのキーワードは、特に新しいサイトやページの立ち上げ初期に効果的です。
競合のキーワード戦略の分析や、ユーザーの言葉遣いと業界用語のバランスを考慮することも、効果的なキーワードリサーチには欠かせません。Google検索の「他の人はこちらも検索」や検索窓に表示される「複数キーワードの候補」、「AI による概要」などを活用し、ユーザーが実際に使っている言葉や意図、さらに深掘りした情報を把握することも大事です。
オンページSEOの実践力
ウェブページを検索エンジンに最適化するためのオンページSEOの知識とスキルも必要です。
タイトルタグとメタディスクリプションの最適化は、検索エンジンにページの内容を伝えるだけでなく、検索結果ページでのクリック率に直接影響する重要な要素です。ターゲットキーワードを含めつつも、ユーザーの興味を引く魅力的なフレーズを考える必要があります。
見出し構造(H1、H2、H3など)の適切な使用も重要です。
見出しタグは検索エンジンにページの構造と重要なポイントを伝えるだけでなく、ユーザーの読みやすさも向上させます。コンテンツの論理的な構造に配慮して、ユーザーが求める情報にスムーズに辿り着けるようにします。
内部リンク構造の設計も、オンページSEOの重要な要素です。
適切な内部リンクは、検索エンジンのクローラーがサイト内のページを効率的に発見し、インデックスするのを支援することができます。また、ユーザーのページ回遊性を高め、滞在率を伸ばし、離脱を減らすなど、サイト全体の価値を向上させる効果も見込めます。
画像の最適化(alt属性、圧縮など)、スキーママークアップの実装、コンテンツの質と量の適正化なども、オンページSEOの実践には欠かせません。
特に、コンテンツの質は今のSEOにおいて最も重要な要素の一つです。ユーザーの疑問や悩みに答え、価値ある情報を提供するコンテンツを作成することで、検索エンジンからの評価も高まります。
これらのオンページSEO技術を実践できるようになると、ページの検索順位が向上する可能性が高まります。継続的な情報収集とその実践を通じて、SEOの内製化のノウハウを積み上げていきましょう。
分析とデータ活用のスキル
SEOの効果を測定し、改善していくためには分析が不可欠です。
Google Analyticsを使ったユーザー行動の分析は重要です。
どのページでユーザーが離脱しているか、どのページが最も人気があるか、ユーザーがどのような経路でサイトを閲覧しているかなど、ユーザー行動の詳細なデータを得ることができます。これらの情報は、サイト構造やコンテンツの改善に役立ちます。
コンバージョントラッキングの設定も必須です。問い合わせやダウンロード、購入などの目標を設定し、どのページやトラフィックソースからのコンバージョンが多いかを分析することで、効果的なSEO戦略を立てることができます。
また、Webマーケティング会社でもあまり利用されていませんが、Google Search Consoleの活用も必要不可欠です。SEOの基本中の基本と言えるでしょう。
クリック率、表示回数、平均掲載順位などのデータをサイト全体やページ単位で比較分析し、改善すべきポイントを見つけることができます。また、各ページのインデックス状況の確認や、URL検査ツールを使った問題の発見など、様々な用途に活用できます。
これらのデータ分析スキルを駆使することで、「感覚」ではなく「事実」に基づいたSEOを行うことができるようになります。SEOは試行錯誤の連続ですが、データに基づいて施策を進めることで、より効果的かつ効率的に改善を進めることができるようになります。
技術的SEOの理解
ウェブサイトの技術面を最適化することも、SEOでは重要な要素です。
特にユーザーの使いやすさを重視するGoogleのアルゴリズム変更により、技術的なSEOの重要性が増しています。
ページ表示速度の最適化は、ユーザーの使いやすさとSEOの両方に大きく影響します。
画像の圧縮、JavaScriptとCSSの最適化、ブラウザキャッシュの活用など、様々な技術的手法を用いて表示速度を改善しなければなりません。ただ作っただけのページでは見た目だけが再現されているだけの評価されないページになってしまいます。
Google PageSpeed Insightsなどのツールを活用し、定期的に速度や使いやすさをチェックするようにしましょう。
モバイルフレンドリーの最適化も必須です。
現在ではスマートフォンを使った検索の割合の方が高く、Googleもモバイルファーストインデックスなどスマートフォンでのユーザーの使いやすさを重要視するようになってきています。
レスポンシブデザインの実装、タップターゲットのサイズ適正化、モバイルでの読みやすさの確保など、スマートフォンユーザーのための操作性の向上・使いやすい環境づくりを徹底して配慮しておきましょう。
robots.txtとXML sitemapの設定、canonicalタグの適切な使用、構造化データ(JSON-LD)の実装なども、技術的SEOの重要な要素です。これらの設定により、検索エンジンにサイトの構造をより明確に伝え、クローリングとインデックスの効率を高めることができます。
Core Web Vitalsの改善も、現代のSEOでは重要なポイントです。LCP(Largest Contentful Paint)、CLS(Cumulative Layout Shift)、INP(Interaction to Next Paint)の3つの指標を改善することで、ユーザーの使いやすさとSEOの評価の両方を向上させることができます。
技術的な側面は、外部の制作会社に外注して取り組むことが多いかもしれませんが、社内担当者も基本的な知識とノウハウを持っていると、効果的な依頼や作業が正しくできているかのチェックができるようになります。制作会社によっては技術面での改善がわからない、ただ作るだけしかできないところもありますので、外注する際も社内担当者のSEOの知識はやはり必要不可欠と言えます。
SEOの内製化へのステップ
実際にSEOを内製化するためのステップを見ていきましょう。
全てを一度に行うのではなく、段階的に進めることで、無理なく確実に内製化を進めることができます。
1. 現状分析と目標設定
まずは現在のSEO状況を把握し、明確な目標を設定します。
現状のキーワードランキングの確認、オーガニック(自然検索)トラフィックの量と質の分析、競合との比較分析、技術的なSEO問題の洗い出しなど、様々な角度から現状を分析しましょう。
Google Search ConsoleやGoogle Analyticsのデータを詳細に分析し、現在の強みと弱みを明確にします。どのキーワードで上位表示されているか、どのページがトラフィックを集めているか、逆にどのページの順位が低いかなど、具体的なデータを収集します。
また、競合サイトの分析も重要です。
同じ業界で上位表示されているサイトの特徴を研究し、何が効果的に機能しているのかを把握します。コンテンツの質や量、サイト構造、内部リンク、メタデータなど、様々な側面から分析しましょう。
この分析結果に基づいて、具体的な目標を設定します。
「6ヶ月以内に主要キーワードのTop10入りを目指す」
「オーガニックトラフィックを3ヶ月で20%増加させる」
「コンバージョン率を現在の1.2%から2.0%に引き上げる」など、
具体的で測定可能な目標を設定することが重要です。
また、目標は短期、中期、長期に分けて設定すると良いでしょう。短期的な小さな成功を積み重ねることで、モチベーションを維持しながら長期的な目標に向かって進むことができます。
ここでは、すべての関係者が現状と目標を共有し、SEO内製化の必要性と価値について共通認識を持つことが大切です。経営層や他部門の理解と協力を得るためにも、データに基づいた説得力のある現状分析と目標設定を行いましょう。
2. 必要なツールと知識の準備
SEOを効率的に行うためのツールと知識を準備します。
まずは、必須ツールの導入から始めましょう。Google Search ConsoleとGoogle Analyticsは無料で利用できる基本ツールです。これらを適切に設定し、データ収集を開始します。
また、キーワードリサーチツールも必要です。
Google キーワードプランナーは無料で利用できますが、より詳細な分析にはUbersuggest、Ahrefsなどの有料ツールも検討すると良いでしょう。予算に合わせて、必要な機能を備えたツールを選びましょう。
外部講師を招いての社内セミナーや、オンラインコースの共同受講、定期的なSEO情報のアップデート共有会などを通じて、組織全体のSEOに関する知識とスキルを高めていきましょう。
SEOは常に変化する分野なので、継続的な学習の仕組みを作ることが大切です。メルマガの購読やSEOコミュニティへの参加、有名SEOブログの購読など、最新情報をキャッチアップするチャネルを複数確保しておくことをお勧めします。
3. キーワード戦略の策定
ビジネスに最適なキーワード戦略を立てます。
これはSEOの基盤となる重要なステップです。まず、メインキーワードの選定から始めましょう。自社の製品・サービスに関連する主要キーワードを洗い出し、それぞれの検索ボリュームと競合性を分析します。
理想的なキーワードは、適切な検索ボリュームがあり、かつ競合が激しすぎないものです。また、商業的価値の高いキーワード(購入意図が強いキーワード)を特定することも重要です。例えば、「〜とは」という情報検索よりも、「〜の価格」「〜を購入」などの方が、購入に近い段階のユーザーを集客できます。
その次は、ロングテールキーワードを探します。
検索ボリュームは少なくても競合が少ないキーワードは、内製化初期の段階で成果を上げやすいです。質問形式のキーワード(「〜とは何か」「〜の方法」など)や、地域や特定ニーズに関連するキーワードなどを見つけ出しましょう。
Google検索でも様々なキーワードを取得するうことができますので、キーワードの検討を行う際は、実際に自分自身で検索して、関連するキーワードを収集するようにしましょう。
キーワードが揃ったら、どのページでどのキーワードをターゲットにするか、計画を立てましょう。一つのページに複数の似たキーワードをターゲットにするのは効果的ですが、全く異なるキーワードを一つのページでターゲットにすると効果が分散してしまいます。1キーワード1コンテンツで考えていくようにしましょう。
そして、ビジネスへの影響度、競合の難易度、実現可能性などを考慮して、どのキーワードから取り組むかを決定します。すべてを一度に行うのではなく、優先度の高いものから段階的に取り組むことで、効率的に成果を上げることができます。
4. コンテンツ制作の仕組みを作る
SEOに最適化されたコンテンツを継続的に作成していく仕組みを作ります。
まずはコンテンツ制作のガイドラインを作りましょう。SEOに最適化されたタイトル・見出しの書き方、内部リンクの配置ルール、画像の最適化方法、メタデータの書き方など、コンテンツ制作に関する基本ルールを明確にします。これで、誰が作成してもある一定の品質を保つコンテンツ制作ができるようになります。
コンテンツ制作のスケジューリングも大切です。
月間・四半期ごとの公開計画を立て、季節性や業種業界の流れにも配慮したスケジュールを作りましょう。また、定期的な既存コンテンツの更新スケジュールも設定しておくことで、サイト全体の更新での鮮度を保つことができます。
執筆から公開までのワークフロー構築も必要です。
企画→リサーチ→執筆→編集→SEO最適化→公開→分析というフローを作り、各ステップでの作業の流れやチェックポイントを決めておきましょう。特に外部のSEO会社、ライター、編集者など複数の担当者が関わる場合は、責任の所在と承認プロセスも明確にしておくことが大切です。
また、品質管理のためのチェックリストを作成しておくと便利です。
キーワードの適切な配置、内部リンクの設定、画像のalt属性の記入、メタデータの最適化など、公開前に確認すべき項目をリスト化しておきます。これにより、SEOの重要な要素が公開時に抜け落ちてしまうミスを減らすことができます。
そして、コンテンツ制作時は競合を上回る内容を制作するように心がけましょう。
競合分析に基づく差別化ポイントを特定し、ユーザーの疑問に徹底的に答えるコンテンツを作成します。単に長いだけのコンテンツではなく、読者にとって本当に価値ある情報を提供することが大切です。
良質なコンテンツの特徴
- 読者の問題や疑問に具体的に答えている
- 専門的な情報を分かりやすく説明している
- 適切な例や図表で概念を視覚化している
- 最新の情報や統計データを含んでいる
- 読みやすい構成と明確な見出しを使っている
- 行動を促す明確なCTA(Call To Action)がある
これらの要素を意識しながら、競合よりも優れたコンテンツを作成することを目指します。
また、独自データやケーススタディの活用も効果的です。自社での実績や、独自の調査結果などを含めることで、他では得られない価値を提供できます。
コンテンツの質と量のバランスも重要です。十分な情報量があり、かつ冗長ではないコンテンツを目指しましょう。ユーザーの検索意図に応じて、適切な詳細さのコンテンツを提供することが、SEOでの成功につながります。
5. 技術的SEOの改善
サイトの技術的な側面を最適化します。
これはパッと見てわかりにくい部分ですが、SEOの成功には必要不可欠な配慮です。
まずはわかやすいサイト速度の改善から取り組みます。表示速度が遅いサイトはユーザーの使いやすさを損ない、検索順位にも悪影響を与えてしまいます。
画像の圧縮と最適化、ブラウザキャッシュの活用、JavaScriptとCSSの最適化、サーバーレスポンスタイムの改善など、様々な手法でサイト速度を向上させることができます。Google PageSpeed InsightsやGTmetrixなどのツールを使って現状を分析し、改善点を特定しましょう。
次に、モバイル最適化に取り組みます。
前述している通り、現在ではスマートフォンでの検索の割合が高くなっていて、モバイルフレンドリーなサイトであることはSEOというよりはホームページの基本要件となっています。
レスポンシブデザインの確認、タップターゲットのサイズ適正化(ボタンや操作要素が指で操作しやすいサイズになっているか)、スマートフォンでの読みやすさ・使いやすさの確保(フォントサイズや行間など)を、実際に自分自身のスマートフォンで操作してみて確認するようにしましょう。
構造的な問題の解決も重要です。クロールエラーの修正、リダイレクトの適切な設定(特に301リダイレクトの適切な使用)、404エラーの処理(カスタム404ページの設定と適切な案内)、XML Sitemapの最適化などに取り組みます。これらはGoogle Search Consoleで確認できる問題も多いので、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
技術的なSEOは専門的になりがちですが、基本的な部分は社内でも対応できるようにしておくと良いです。
より複雑な問題については、必要に応じて外部の専門家に相談することも検討するのが最も良い状況だと思います。外部の専門家とも良好な関係を構築し、技術的なSEO改善を継続的に行える体制を整えるようにしておきましょう。
6. 定期的な分析とPDCAサイクルの確立
SEOの効果を測定し、継続的に改善していくサイクルを確立します。
定期的な分析レポートの作成から始めましょう。週次・月次でのランキング変動チェック、トラフィックとコンバージョンの推移、主要ページのパフォーマンス分析など、定期的にデータを収集・分析することが重要です。
分析では単に数値を追うだけでなく、「なぜその変化が起きたのか」を考察することが大切です。ランキングが上昇した場合も下降した場合も、その原因を探ることで、今後の施策に活かせる洞察が得られます。
PDCAサイクルの実践も重要です。分析結果に基づく改善案の策定、優先順位を付けた施策の実行、効果測定と検証、次のアクションプランの決定というサイクルを回すことで、継続的な改善が可能になります。
SEOは一朝一夕で効果が出るものではないため、粘り強く取り組む姿勢が重要です。最初の数ヶ月は大きな変化が見られないかもしれませんが、正しい方向性で継続的に改善を続けることで、徐々に成果が表れてきます。
また、業界トレンドとアルゴリズム変更への対応も欠かせません。SEO業界ニュースのチェック、アルゴリズムアップデート後の影響分析、新しいSEO手法の実験的導入と検証など、常に最新情報をキャッチアップする姿勢が大切です。
内製化と外部委託のハイブリッドアプローチ
すべてを内製化するのではなく、一部は外部の専門家に依頼するハイブリッドな取り組み方が最も効率的で効果的だと思っています。どの部分を内製化し、どの部分を外部に委託するかは、自社の担当者のスキル・レベルに応じて判断し、いつでもスムーズに依頼できるように外部との関係性作りも行なておくのが良いです。
内製化に適した業務
自社で取り組むのに適している業務としては、日常的なコンテンツ作成と最適化がもっとも適していると思います。自社製品やサービスを一番よく知っているのは社内のスタッフなので、ユーザーにとって価値あるコンテンツを作成するのに最適な立場です。
キーワードリサーチと競合分析も、内部で行えるのならそれが一番です。業種・業界の変化や競合の動きを定期的にチェックして把握しておくことで、変化が起こったときにもスムーズに対応することができます。さらに顧客からの問い合わせや営業活動から得られる生の声を活かすことで、より的確なキーワード選定やコンテンツ企画ができるようになります。
各ページのタイトルやメタ・ディスクリプションの最適化も、日常的な更新業務として内製化できる部分です。
キーワードを適切に含めつつも、ユーザーの興味を引く魅力的なメタタグを作成する能力は、繰り返して実務を行なっていくことで比較的短期間で身につけることができます。
アクセス解析とレポーティングも、内部で行うことでデータに基づいた迅速な意思決定が可能になります。ツールの基本的な使い方を習得すれば、日々のトラフィックやユーザー行動を分析し、問題点や改善点を見つけることができます。詳しい分析までいかなくても、ザッとデータを見られるようになっておくことが大切です。
顧客対応から得られる情報のコンテンツへの反映も、内製化のメリットを最大限に活かせる部分です。「よくある質問」や「お客様の声」など、実際のユーザーからのフィードバックをコンテンツに活かすことで、より価値の高い情報を提供できます。
外部委託に適した業務
一方、外部の専門家に依頼した方が効率的な業務もあります。
技術的なSEO問題の診断と修正は、専門的な知識が必要なため、特に複雑な問題については外部の専門家に依頼することも検討すべきです。
大規模なサイト構造の改善も、経験豊富な専門家のアドバイスが有効です。サイトアーキテクチャの設計や、URL構造の最適化など、一度決めると変更が難しい部分については、専門家の知見を活用することで失敗のリスクを減らせます。
サイト移行やリニューアル時のSEO対応も、外部委託を検討すべき重要なタイミングです。
サイト移行やリニューアルは、SEOの観点から見るとリスクの高い作業で、適切な対応をしないと検索順位が大きく下落する可能性があります。ただ単に見た目を変えるだけのリニューアルは絶対に行わないようにしましょう。
経験豊富な専門家のサポートを受けることで、安全な移行が実現できます。
最新のアルゴリズム変更への対応戦略や、先進的なSEO技術の導入支援も、外部の専門家の知見が役立つ分野です。SEOの専門家は常に最新トレンドをフォローしており、アルゴリズム変更があった際の適切な対応策を素早く提案できます。
バランスの取れたアプローチ
理想的なのは、日常的な運用は内製化しつつ、専門性の高い部分や定期的なチェックは外部の専門家に依頼するというバランスです。
例えば、月次でのSEOコンサルティングを受ける、四半期ごとに外部専門家による監査を実施する、大きなアルゴリズム変更時に専門家の分析を受ける、複雑な技術的問題が発生した際にスポットで依頼するといった形です。
こうしたハイブリッドアプローチなら、内製化のメリットを享受しながら、専門家の知見も活用できます。また、外部の専門家とのコミュニケーションを通じて、内部のSEOスキルも徐々に向上していくという好循環が生まれます。
SEOの内製化は、一気にすべてを社内で行うことではなく、自社にとって最適なバランスを見つけ、徐々に内製化の範囲を広げていくプロセスと考えるとよいでしょう。自社のリソースとスキルレベルを正直に評価し、無理のない範囲から始めることが長期的な成功につながります。
WebマーケティングにおけるSEOの内製化
SEOの内製化は、一朝一夕で実現するものではありませんが、継続的に取り組むことで大きな成果を生み出します。自社のビジネスに最適化されたSEO施策は、外部委託では得られない競争優位性をもたらすでしょう。
内製化のメリットはたくさんあります。
データとノウハウの社内蓄積、迅速な対応力、自社ビジネスに最適化した戦略、コスト効率の向上、一貫したブランド発信など、これらすべてが長期的な競争力の源泉となります。特に中小企業にとって、マーケティング予算を効率的に活用し、持続可能な成長を実現するために、SEOの内製化は有効な戦略です。
すべてを一人でやろうとしてはいけません。
社内外のリソースを効果的に活用して、バランスの取れた取り組みを行いましょう。
内製化とは、外部依存をなくすことではなく、自社の力を最大化しながら、より効果的にSEOを活用することです。
当社ブログにもWebマーケティングを内製化について説明した記事を公開しています。SEO視点での内製化のこの記事とあわせてご覧いただければと思います。
Web集客の取り組み、SEOをできるだけ自分たちで行い、適切なタイミングで外部を利用していくこれからの取り組みを、当社のWebコンサルティングは10ヶ月の取り組みで支援しています。内製化を進めたい方はいつでもご相談ください。
初回相談は無料です。
いつでもお気軽にご相談ください。